平成19年4月4日(水)、山出会長は、地方六団体を代表して、菅総務大臣、土屋総務大臣政務官等に面談のうえ、「地方分権改革推進委員会の発足にあたって」及び「平成19年(2007年)能登半島地震災害に関する緊急要望」を提出いたしました。
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地方分権改革推進委員会の発足にあたって
平成19年3月29日 地 方 六 団 体 |
本日、地方分権改革推進委員会の委員の人選について国会同意が得られ、同委員会が発足することとなった。
地方分権改革の目標は、「地方にできることは地方が担い責任を持つ」という原則の下に、「国が決めて地方が従う」という中央集権型のシステムからの転換を図ることで、高齢者や障害者の福祉、子育てや教育、まちづくりなど、人々の暮らしを支える公共サービスに関する地方の役割をより拡大し、住民が安全・安心に暮らせる豊かな社会を実現することにある。
それと同時に、「地域の実情を最もよく知る地方の自己決定権を確立する」ことによって、多くの知恵と発想を集め、文化、産業などの面で地域の個性を活かした多様性と創造性にあふれた社会を実現することにある。
また、地方分権改革は、どの地域に暮らしていても「豊かな自治」を実現するものでなければならず、財政力の弱い小さな自治体に特に配慮したものでなければならない。
現在、大都市と農山漁村との間で、所得・雇用・住民サービスなど様々な面での格差の拡大が指摘されているが、地域間の格差の是正を図り、どの地域も自立(律)を目指せるようにする必要がある。
今後、委員会においては、こうした地方分権改革の目標をふまえ、財政再建の手段としての地方分権改革ではなく、地方が自立(律)し互いに支え合うことのできる、住民福祉の向上を目的とした地方分権改革を推進されたい。
ついては、委員長のリーダーシップのもと、真の地方分権改革の実現に向けた調査審議が行われるよう、下記の事項を提言する。 なお、安倍総理をトップとした「(仮)地方分権改革推進本部」を立ち上げ、政治の力により地方の求める真の地方分権改革の実現を図られたい。
また、政府が「地方分権改革推進計画」を作成するにあたっては、地方六団体の代表者と事前に協議を行われたい。
記
1 目指すべき第二期分権改革の具体的な成果
(1) 国と地方の役割分担の見直しと権限の移譲
(2) 税源移譲を含めた地方税財源の充実強化
① 国税と地方税の税源配分を5:5
② 格差是正を図るため、税源の乏しい団体、とりわけ市町村に十分な配慮
(3) 地方共有税構想の実現
① 地方交付税の名称の変更(「地方共有税」)
② 国の特別会計に直接繰り入れ等
(4) 国と地方の二重行政の解消等による行政の簡素化
① 国による関与、義務付け・枠付けの廃止・縮小
② 国庫補助負担金の削減
③ 国の地方支分部局の廃止・縮小による国と地方の二重行政の解消
(5) 「(仮)地方行財政会議」の設置
① 政府と地方の代表者等が協議を行い、地方の意見を政府の政策立案及び執行に反映させる
② 政府は、会議において協議が整った事項については、その結果を尊重するよう努めるものとする
2 委員会における調査審議の進め方
(1) 第二期分権改革における優先課題を見定め、調査審議の対象とする事項を精査、選択するとともに、改めて一から個別の事務事業や国庫補助負担金の調査審議に力を注ぐのではなく、地方分権改革を進めるための大きな議論に力点を置くこと。
(2) 第一次分権改革の際のような、「霞ヶ関が了解した実現可能な案」をつくるのではなく、委員会が考える「あるべき地方分権改革の姿」をつくり、政府に大胆に提言すること。
(3) 地方六団体と十分に意見交換した上で、その意見を踏まえ、地方と一致協力して調査審議を進めること。地方、特に農山漁村地域の市町村の実態を踏まえた調査審議を行うこと。
(4) 事務局主導を避け、委員間の集中討議を中心に委員会を進め、第二期分権改革の大きな方向性を委員が共有すること。
(5) 国民に開かれたオープンな議論が展開されるよう、委員会の審議は原則公開で行うこと。
地方六団体 | |
全国知事会会長 | 麻生 渡 |
全国都道府県議会議長会会長 | 川島 忠一 |
全国市長会会長 | 山出 保 |
全国市議会議長会会長代行 | 嶋津 隆之 |
全国町村会会長 | 山本 文男 |
全国町村議会議長会会長 | 川股 博 |