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「基本的考え方」に盛り込むべき事項について(地方六団体)(平成19年5月23日)

 平成19年5月23日、地方六団体は、地方分権改革推進委員会の丹羽委員長に対して、「『基本的考え方』に盛り込むべき事項について」を提出いたしました。
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  地方分権改革推進委員会 委員長
    丹羽 宇一郎 様

平成19年5月23日 
 

地方六団体  
全国知事会会長 麻生  渡
全国都道府県議会議長会会長 川島 忠一
全国市長会会長 山出  保
全国市議会議長会会長代行 嶋津 隆之
全国町村会会長 山本 文男
全国町村議会議長会会長 川股  博
 

「基本的考え方」に盛り込むべき事項について

 

 

 平素から地方分権改革の推進につきまして、格別のご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。

 我々地方六団体におきましては、地方分権改革推進委員会が取りまとめる「基本的考え方」に盛り込むべき事項につきまして、別添のとおり取りまとめましたので、丹羽委員長におかれましては格別のご理解とご尽力を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

地方分権改革推進委員会が取りまとめる「基本的考え方」に盛り込むべき事項

平成19年5月23日
地 方 六 団 体

 

  地方分権改革の目標は、中央集権型のシステムからの転換を図ることで、高齢者や障害者の福祉、子育てや教育、まちづくりなど、人々の暮らしを支える公共サービスに関する地方の役割をより拡大し、住民が安全・安心に暮らせる豊かな社会を実現することにある。

 と同時に、文化、産業などの面で地域の個性を活かした多様性と創造性にあふれた社会を実現することにある。

 今、多くの地方で高齢化と人口減少が同時進行するなどにより、地域間の格差が拡大している。今後は、地方力を活かして地域を活性化させ、国全体が活力を持つ日本をつくっていくべきである。

 地方分権改革推進委員会は、今月末までに「基本的考え方」を取りまとめることとしているが、次の4つの基本原則を明らかにした上で、目指すべき具体的な成果とそこに至る実施スケジュールを明記することを求めるものである。

 また、安倍総理をトップとした「(仮)地方分権改革推進本部」を早急に立ち上げ、政治の力により真の地方分権改革の実現を図るべきである。

 

1 地方分権改革推進のための基本原則

(1)「地方にできることは地方が担う」

○高齢者や障害者の福祉、子育てや教育、まちづくりなど、人々の暮らしを支える公共サービスは、地方が担い責任を持つということによって、住民満足度・幸福度の高い行政サービスを実現する。
 

(2)「自己決定・自己責任・自己経営」 

○地方の行財政基盤を確立し、自由度を拡大することにより、「自己決定・自己責任・自己経営」を目指す。地方は自ら決定し、行ったことについては責任を持つ。
○受益と負担の明確化により、住民が主体的に政策の選択と決定を行うことができるようにする。

(3)「自立(律)と連帯」

○地域間の格差の是正を図り、どの地域も自立(律)を目指せるようにする。「地方共有税」の導入等により、地方が自ら参画し、責任を持って行える仕組みを実現する。

(4)「二重行政の解消」

○国による関与、義務付けや国庫補助負担金を廃止・縮小し、関係する国の地方支分部局等の廃止・縮小を行うことにより、国と地方の二重行政を解消し、国・地方を通じた行政の簡素化を推進する。

2 目指すべき具体的な成果

(1)消費税等の税源移譲などによる地方税源の充実強化   

○国税と地方税の税源配分をまずは5:5に
○消費税等の税源移譲などによる偏在性の少ない地方税体系の構築

(2)国と地方の役割分担の見直しと一体的に権限・事務・財源を移譲

○「地方にできることは地方が担う」という原則の下、国と地方の役割分担を見直し、一体的に権限・事務・財源を移譲

(3)国と地方の二重行政の解消等による行政の簡素化   

○国の地方支分部局の廃止・縮小による国と地方の二重行政の解消
○国による過剰関与・義務付け・枠付けの廃止・縮小
○国庫補助負担金の削減

(4)自治体の自立(律)と連帯を進める「地方共有税」の導入

○「地方交付税」を国の特別会計に直接繰り入れ等を行う「地方共有税」に変更

(5)「(仮)地方行財政会議」の法律による設置

○政府と地方の代表者等が協議を行い、地方の意見を政府の政策立案及び執行に反映
○政府は、会議において協議が整った事項については、その結果を尊重するよう努力