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教育委員会への国の関与の強化案に対する反論(地方六団体)(平成19年2月27日)

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  現在中央教育審議会において、教育再生会議の第1次報告などを踏まえ、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正に向けた審議が行われている。この中では、文部科学省から①文部科学大臣への教育委員会に対する是正勧告・指示権の付与、②教育委員会等の文部科学大臣等が行う調査への協力、③文部科学大臣の教育長の任命への関与、という教育委員会に対する国の関与の強化が提案されている。

 これまで地方は、このような国の教育委員会に対する関与の強化は、「平成12年に施行された地方分権一括法による改正前の教育行政に後戻りさせかねないものであり、受け入れられるものではない」と繰り返し主張してきたところである。しかしながら、このような地方の声に耳を傾けることなく、提案の撤回・見直しが行われないのは誠に遺憾であり、改めて反対を表明するものである。

 教育委員会に対する国の関与のあり方は教育制度の根幹に関わる重要な問題である。今回は、検討・議論を重ねる十分な時間も与えられておらず、現在文部科学大臣が持っている関与の権限・手段で何が不十分なのか、あるいは運用の問題なのかなどについて検証・分析がなされていない。また、教育委員会の再生のためになぜ国の関与の強化が必要なのか、何ら論理的に結びつく説明や立証がなされていない。いかにも拙速と言わざるを得ない状況である。

  教育の再生には、教育委員会が、文部科学省よりも教育の受益者である児童生徒・保護者・住民に対して目を向け、責任を果たしていけるようにしなければならない。このためには、各地域が当事者意識と責任を持って教育に取り組むことができるよう分権型の教育の仕組みをつくることが不可欠である。

 今後政府においては、教育委員会制度のあり方について、このような地方分権の視点に立って、十分検討するよう強く求めるものである。

 

 平成19年2月27日

      

地方六団体  
全国知事会会長 麻生  渡
全国都道府県議会議長会会長 川島 忠一
全国市長会会長 山出  保
全国市議会議長会会長 国松  誠
全国町村会会長 山本 文男
全国町村議会議長会会長 川股  博