平成16年度は三位一体改革の初年度であり、真の地方自治の確立のための重要な出発点となる。
総理大臣の「平成16年度において、1兆円をめざして国庫補助負担金の廃止、縮減等を行うほか、税源移譲についても確実に行う」という指示を基に、これまで総理大臣をはじめ、関係閣僚及び与党幹部の関係者が精力的に協議し、結論を出されたことは評価したい。特に、総理大臣が「地方にできることは地方で」という理念のもと、三位一体の改革に向けて強力なリーダーシップを発揮されたことに敬意を表する。
まず、生活保護費負担金及び児童扶養手当給付費負担金については、現行の負担割合を維持することとされたところであり、われわれの意見を尊重された総理大臣の決断を高く評価したい。
このことについて、今後検討することとされているが、地方公共団体の意見を尊重されたい。
また、公立義務教育学校教職員の退職手当等を国庫負担対象から外し、これに見合う額の交付金制度を設けることについては、その仕組みが明らかではないので、将来の退職手当の増嵩に対応できるのか定かではない面もあるが、この点も含め、平成18年度までに義務教育費国庫負担金全体の取扱いの中で合わせて検討することとされているところであり、負担金全額の一般財源化、税源移譲への第一歩として期待したい。
しかし、総体としては、地方の自由度を拡大するという三位一体改革の理念に照らしてみれば、今後に残された課題も多い。
平成16年度の税源移譲については、三位一体の改革の趣旨に沿ってできるだけ大規模な移譲を実現すべきである。税目については、われわれは所得税から個人住民税、消費税から地方消費税への移譲を強く主張している。たばこ税は、基幹税とはいえず、将来性もなく、「基本方針2003」の趣旨にも沿わないものであり、国庫補助負担金の廃止・縮減に見合うべき税源移譲は、あくまでも基幹税により行うべきものである。
今後も、地域住民を代表するわれわれ地方公共団体の意見を尊重し、真の地方自治の確立につながる三位一体改革推進の工程表を早急に提示し、地方公共団体及び地域住民へ公開しつつ、その具体化を進められるよう、強く要請する。
平成15年12月11日
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