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全国市長会 会長 立谷秀清(相馬市長)就任挨拶

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 全国市長会 会長
  相馬市長 立谷 秀清

815市区長の英知を結集して

はじめに
 去る6月1日に開催された第92回全国市長会議通常総会において、引き続き会長に選任いただきました。これまで2期4年間、全国の市区長の皆さまに支えていただきながら、なんとか会長職を務めてまいりました。支えていただいた皆さまに感謝を申し上げます。
 これからも、全国市長会としての立ち位置の原点とも言える、住民に最も近い基礎自治体の市区長として、815の仲間である市区長の皆さまの英知を結集し共に協力し合いながら、国に対し「対話と協調」で支援を引き出せるよう全力で取り組む所存であります。これからもお力添えを賜りますようお願いいたします。
 

新型コロナウイルス感染症対策について
 新型コロナウイルス感染症に対し、私ども市区長は感染拡大をいかに抑えていくか、住民の健康をどのように守っていくか、地域経済の回復にどう取り組むかという非常に厳しい事態に直面してまいりました。住民からのさまざまな訴えに対し、何ができるのか、どこまでやれるのか、そのようなことを問われた2年間でありました。
 また、昨年から開始した新型コロナワクチン接種については、それぞれの都市自治体の置かれている状況が異なる中、また、国の方針が二転三転し現場が混乱する事態もあった中で、互いに情報を共有し、助け合いながら頑張ってまいりました。現在では4回目の接種が開始されているところですが、これまでと対象者や接種間隔が異なるという点では、国民に大きな不安や懸念をもたらすのみならず、初回接種や追加接種と並行して実施する都市自治体では、混乱が生じることも想定されます。そのため、全国市長会としては、皆さまからのアンケートを基に4回目接種の目的や有効性・安全性などを理解できるよう、十分に周知・広報をすること、都市自治体が希望するワクチンを早期かつ確実に配分すること、医療従事者および介護施設従事者を対象に加えることを検討することなどを緊急要望するとともに、国と地方の協議の場においても強く要請してまいりました。
 新型コロナウイルスとの戦いは続いてまいります。新型コロナウイルスがどうやって作戦を変更してくるか分かりませんが、われわれは住民の生命と健康を守るため、引き続き全力で取り組むべき使命と思っております。
 

経済対策への対応
 この2年以上に及ぶ新型コロナウイルス感染症の影響で、地域経済は相当なダメージを受け、社会が大変疲弊していることは言うまでもありません。全国市長会としては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などについて、できるだけ都市自治体の自由度の高いものとなるよう、皆さまと力を合わせながら要請や提言を重ねてまいりました。ポストコロナの時代を見据え、地域経済の回復と安定した雇用の確保などのためにも、中長期的視野を持った継続的な取り組みが必要であります。さらに、長期化しているウクライナ情勢なども重なって、原油や原材料、食料価格が高騰するなど、住民生活・社会生活に多大な影響が及んでいることから、総合的な対策を考えていく必要があります。
 

デジタル社会の推進
 デジタル田園都市国家構想を推進するためには、光ファイバーや5G通信網といったインフラ整備の充実と、地域社会においては、行政および民間でしっかりとデジタル化を推進していくための人材の育成・確保などに取り組んでいかなければなりません。特に、デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードについて、政府は本年度末までに全国民の取得を目指しておりますが、取得のメリットがあまり見えないという声もあり、取得率が伸び悩んでいる状況であります。国においては、国民の利便性を高める取り組みを推進し、国民に対する広報を一層充実することが必要でありますので、方法論的な支援を含め財源支援についても、全国市長会において議論を深め、強く提言する必要があると考えております。
 

防災対策への取り組み
 近年、地震や大雨など大規模な自然災害が相次いで発生し、尊い人命が失われ、多くの方々が被災し、地域は大きく傷ついています。被災自治体は、発災の直後から中長期まで多岐の分野への対応を求められるため、本会の「防災対策特別委員会」において、自治体相互の支援体制を構築するとともに、各地方の国土交通省地方整備局長と市区長間とのホットラインを構築いたしました。実際に、本年3月に発生した福島県沖地震災害の際には、近隣のみならず遠方の自治体からも多くのご支援をいただくことができ、支援体制の大事さと多くの仲間である自治体とのつながりがいかに大きいかを実感したところであります。
 災害はいつ、どこで起こるかわかりません。災害時に支え合う体制をさらに充実させ、より強固なものとすべく取り組んでまいります。
 

結びに
 新型コロナウイルス感染症対策や経済対策、デジタル化や予想以上のスピードで進んでいる少子高齢化など、都市自治体は多くの課題に直面しております。私たち815の市区長が脳に汗をかきながら、考えに考え抜いて議論し、住民福祉のため力を結集することで乗り越えていけると確信しております。
 これまで同様、引き続き皆さまのお力をお借りしながら、この2年間全国市長会会長としての職責を果たしてまいる所存であります。どうぞよろしくお願いいたします。


(市政  2022年7月号より)