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立谷会長 年頭のごあいさつ(令和4年「市政1月号より」)

令和4年 年頭のごあいさつ

  全国市長会会長
    
相馬市長  立谷 秀清

 新しい時代を切り拓くため

 

 令和4年を迎え、謹んで新春のごあいさつを申し上げます。会員市区長の皆さまには、全国市長会の諸活動に絶大なご協力をいただいておりますことに、御礼を申し上げます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症と令和3年7月、8月の集中豪雨によりお亡くなりになった方々へのご冥福をお祈りいたしますとともに、新型コロナウイルス感染症に感染された、あるいは災害により被害を受けられた方々にお見舞いを申し上げます。この間、身をていして日夜業務に対応いただいております医療従事者の皆さまをはじめ、新型コロナワクチンの接種や感染拡大防止、災害対応などに奮闘されております市区長や市区の職員各位に心からの敬意と感謝を申し上げます。
 
新型コロナウイルス感染症対策
 国内での初感染が確認されてから2年が経過する新型コロナウイルス感染症は、現状では感染拡大が抑えられておりますが、新型コロナワクチンの接種者が感染するいわゆるブレークスルーやオミクロン株という新たな変異株への感染が確認されるなど、いまだ出口が見えない中にあります。
 さらには今後、感染拡大の第6波の襲来も懸念されており、感染防止対策の継続や地域医療提供体制の確保、経済対策など住民の日常生活を守るため、皆で知恵を持ち寄りながら新型コロナウイルス感染症との戦いを続けてまいりましょう。
 新型コロナワクチンの接種については、地域住民への迅速な接種の実現のため、本会としても国と協議し、新型コロナワクチン供給スケジュールの早期明示や都市自治体の現場の声を訴えてまいりました。各都市自治体におかれましては、地域の特性に合わせた接種体制の構築など、ご労苦があったこととは思いますが、2回接種完了者は全体で7割を超え、65歳以上の高齢者では9割を超えました。国難であるこの事態の中、会員市区長の皆さまの安心・安全かつ迅速な業務遂行に改めて敬意を表します。
 新型コロナワクチンの効果については、国内外の研究機関などの調査の結果、抗体の量が時間の経過とともに減少する傾向にあることが分かってまいりました。特に高齢者の減少傾向が顕著であることから、感染拡大の抑制と重症化リスクの低減のため、追加接種を速やかに行う必要があると考えております。本会としても、各都市自治体が円滑に追加接種の体制を構築できるよう、国や全国知事会、全国町村会と密接に連携しながら対応してまいります。
 
感染拡大防止の継続と日常生活や経済社会活動の両立
 新型コロナウイルス感染症による観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などさまざまな産業への影響は、想像をはるかに超えて長引いています。疲弊した経済がコロナ前の水準に戻るまでは相当の時間を要することが想定されますが、ワクチン・検査パッケージなどを活用した需要喚起の取り組みや、ポストコロナの人流・物流の活性化も見据えた道路網の整備や国土強靭化など、社会資本の整備による経済産業の活性化を国と共に推進してまいります。
 
行政のデジタル化
 コロナ禍においては、テレワークやオンラインによる業務など、これまでなかなか進まなかったデジタル化が進み、社会活動が大きく変化しております。昨年9月にはデジタル庁が創設され、誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向け国を挙げたデジタル改革が進められることとなり、都市自治体においても行政手続のオンライン化やAIなどの活用による業務効率化、GIGAスクール構想に基づく学校教育のICT化が加速してまいります。
 デジタル実装を通じた地方活性化を推進するデジタル田園都市国家構想が具体化していく中で、地域住民がデジタルを活用してより良いサービスを享受できるよう、都市自治体においてはデジタル基盤など、行政の仕組みをデジタル時代に合ったものに作り直していかなければなりません。
 このためには、われわれのみならず、国・地方・民間を通じたデジタル基盤の整備や人材育成のプランを具体化し、あるべき姿を共に考え、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
 
結びに
 昨年開催した東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。1年の延期と無観客開催などの制約があった中、選手たちが活躍する姿は日本中に感動を与え、明るくかつ心温まるものとしてくれました。
 2022年の干支「壬寅」は、陽気を孕み春の胎動を助くとあります。これは冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力にあふれ華々しく生まれ、新しい成長となるイメージです。
 コロナ禍で先が見えない中ではありますが、「日本最大の政策集団」である全国市長会は、会員市区長が一致団結し新型コロナを克服し、新しい時代を切り拓くため、国と一緒に地方のための政策を作り上げていくことが求められています。われわれが共に汗をかき、今年がコロナ禍という困難を乗り越えた新しい時代となるよう協力していきましょう。
 
 
(市政 令和4年1月号より)