会長就任あいさつ
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全国市長会 会長
長岡市長 森 民 夫
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812の英知の結集が、日本再生への推進力。
第83回全国市長会議におきまして、全国市長会会長にご選任いただき、身に余る光栄と存じます。
都市自治のさらなる発展のため、これまで以上に全力を尽くす覚悟ですので、何とぞお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
私には、強い信念があります。それは、「地方の元気こそが日本再生の源である」という信念です。
先の市長会議でも、全国の市長の皆様が一堂に会し、日本を元気にする重要課題を議論する、そのエネルギーの大きさ、すばらしさに感動しました。
全国812市区の英知を結集すれば、日本再生への強い推進力になることを改めて確信したところです。
地方分権改革は明治維新以来の大改革
今年は、国会で地方分権の推進に関する決議がされてから20年目の年です。この間、分権型社会への道程は平坦ではありませんでしたが、国と地方が対等な立場で向き合う「国と地方の協議の場」の法制化など、一歩一歩前進してきました。
私は、地方分権改革は明治維新以来の日本の将来を左右する大改革であると認識しています。
明治維新のとき、国を二分した戦争が起きました。しかし日本は一つになりました。「世界で勝負できる国を創るためにはまとまらなければならない」という気概を持って今日の繁栄を築いたわけです。
そして、世の中が混迷する今、国と地方が信頼関係の中で連携し、互いの特色を出し合う時です。国の大きな視点と市民と向き合う地方の現場力がかみ合うことが、血の通った政策を生み、日本の再生が成し遂げられると確信しています。
しかし、地方分権改革に逆行する動きがあるのも確かです。
国からの地方公務員給与の削減要請もその一つ。我々には、国に先んじて行革に取り組んできた自負があります。今後も、地方交付税の本旨に反していること、地方の意見を無視した措置は二度と行わないことを指摘し続けていきます。
今後とも、2歩後退したら3歩進み返すという気概をもって、地方分権改革に取り組もうではありませんか。
国の方向性を協議の場等でしっかりと提言する
政府は先ごろ、「骨太の方針」をまとめました。財政再建の必要性を強調し、社会保障、公共事業、地方財政の三分野を「聖域とはせず見直す」と明記しました。また、来年度の予算編成や中期財政計画の取りまとめが、7月の参議院議員選挙後に本格化してきます。
もちろん財政規律は重要ですが、それ以上に、明治維新以来の大改革を進めて日本を再生させるという気概を持つ必要があります。先の市長会議で安倍晋三内閣総理大臣からは「地方の元気なくして日本の再生はない。地域に根ざした積極的な取り組みを支援していく」との言葉がありました。この言葉を掛け声で終わらすことのないように、国と地方の協議の場等を通じてしっかりと提言していきます。
事務負担の軽減を実現。復興に全力を尽くす
また、東日本大震災からの復興も日本の再生には欠かせない最重要課題です。震災から2年4か月、被災地の市長の皆様においては、復興・復旧に向けて日夜奮闘のことと思います。
そんな中、全国の市長の皆様が、仲間が仲間を助けるという意識で、職員派遣をはじめとする物心両面で支援をしていただいていることに感謝申し上げます。
全国市長会としても、被災市町村の事務負担の軽減のため、復興庁の根本匠大臣と長島忠美大臣政務官と面談し、59項目の改善を要請。5月21日には22項目について、改善への回答を得ることができました。
今後も、被災地の声を国に届け、一日も早い復興を全力で支えていく決意です。 。
市長の団結に怖いものなし
このほか、基礎自治体を取り巻く課題は、地方分権改革の推進をはじめ、道州制への対応、地方交付税の確保、税制の問題、TPPの問題、教育委員会制度の改革など山積しています。
しかし、全国の市長が一致団結すれば怖いものはありません。812の歴史も文化も規模も大きく異なる我々自治体が団結して生まれるパワーで、日本再生を果たしましょう。皆様のご支援ご協力を重ねてお願い申し上げます。
結びに、全国各都市のますますのご繁栄とご発展を祈念申し上げまして、就任のごあいさつといたします。
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