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森会長 年頭のご挨拶(平成25年「市政1月号より」)

平成25年 年頭のごあいさつ 

 全国市長会 会長  
 長岡市長  森    民  夫

812の「誇り」と「自信」を結集し、日本を前進させましょう 


 年頭にあたりまして、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 また、全国市長会の運営および諸活動につきまして、旧年中に賜りましたご理解とご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。

地方の元気なくして日本の再生なし
 
これは、全国市長会の会長を務める私の強い信念です。
 昨年末の総選挙により、安倍・内閣総理大臣による自公連立内閣が発足しました。安倍総理は、長引く景気低迷からの「経済再生」を一丁目一番地と位置付け、補正予算と平成25年度予算を合わせた切れ目ない経済対策を打ち出すと表明しています。
 先ごろまとめられた補正予算は、緊急経済対策を主とした事業規模20兆円を超える大胆な内容であり、また公共事業の地方負担を国が肩代わりすることも含まれ、地方を元気にしようという姿勢が見られます。
 さらに、1月15日には、新政権の下での最初の「国と地方の協議の場」を開催しました。その場で安倍総理は「地方に関わる重要政策を連携して進めていきたい。日本全体の成長のため、地方が活力を取り戻し、成長していく投資をする」との発言がありました。市町村の現場を重視した、住民の視点に立った政治を望むわれわれとして、大いに期待しているところです。
 

地方の自主性を無視する、地方公務員給与の削減と自動車2税の撤廃
 そんな中、国は、24年度から2年間の臨時措置として実施している国家公務員給与の7.8%削減に合わせて、地方公務員の給与も削減するよう求めてきています。
 地方はこれまで、合併などで職員数を13%削減するなど、国に先んじて血のにじむような不断の行革を行ってきました。総人件費の削減は、国をはるかに上回っています。にもかかわらず、ラスパイレス指数の比較にのみ視点を置いた要求は、地方の実態を知らなさすぎる暴挙といわざるを得ません。
 まして、地方公務員の給与の決定に国が干渉することは、自治体の主体性を阻害するものです。地方財政計画や地方交付税の算定に当たって減額することも到底容認できません。
 また、地方税収が依然として厳しい中、自動車取得税と自動車重量税を25年度から撤廃させようという動きがあります。この2税は、市町村分で約4,375億円にのぼり、住民税、固定資産税、消費税と並ぶ市町村の貴重な財源です。代替財源なき廃止は、絶対に認められません。ほかにも、償却資産に対する固定資産税とゴルフ場利用税の堅持も強く訴えていきます。
 これらの税制改正への反対については、全国知事会など地方六団体の会長と一致して、安倍総理や菅官房長官、新藤総務大臣、自民党・公明党の主要幹部へ要請するとともに、「国と地方の協議の場」でも強く主張したところです。

自治体と政府は、国の内政の一翼を担うパートナー
 
改めまして、全国の自治体関係者におかれましては、一昨年からの震災復興へのご協力に感謝申し上げます。特に、被災地への職員派遣は、1,700名超のご協力をいただきました。昨年11月には新たに、被災地で働く意欲のあるOB職員の情報提供をお願いしたところです。
 震災復興はまだ道半ばです。昨年10月の第七十四回全国都市問題会議でも「私たちすべての未来は被災地とともにあることを肝に銘じるとともに、被災地の復旧・復興が長期に及ぶことから、今後も被災地に寄り添いながら支援を継続していく」と決意しました。被災地の一日も早い復興のため、引き続きご支援をお願い申し上げるとともに、国のしっかりとした予算措置と迅速な対応を全国市長会としても強く働きかけていきます。
 災害対策で見ると、全国市長会からも見直しを提言していた「災害対策基本法の一部を改正する法律」が昨年6月に成立。自治体間の応援業務等に係る都道府県・国の調整規定、被災住民の広域避難に関する調整など、緊急に措置を要する内容が盛り込まれました。
 消費税率の引上げについては昨年8月、民主・自民・公明3党の合意により可決。増税分5%のうち1.54%を地方分として確保でき、一定の成果をあげることができました。
 国は、補正予算に続き、25年度予算の策定にも取り掛かっています。全国市長会としても政策決定の過程においては、行政の最前線で戦うわれわれの意見を最大限生かすよう、引き続き訴えていきます。
 新年早々には、正副会長や支部長などで構成する政策推進委員会が中心となり、与党幹部などに対し先ほどの課題をはじめとして
 ○緊急経済・雇用対策の早期かつ万全の実施
 ○震災の復旧・復興と原発事故への迅速な対応と全国的な防災・減災対策の充実・強化
 ○地方税財源の充実強化
 ○地方分権改革の一層の推進
 ○社会保障制度の充実強化

などを強く要請してきました。
 われわれ自治体は、政府とともに国の内政の一翼を担うパートナーです。引き続き、住民の生命と安全のための行政サービスの提供、よりよい地域づくりための地方分権改革に向けて、積極的に取り組んでいきましょう。

確実に高まっている市長の力
 
現在、全国市長会の会員数は812。小選挙区制度になり、われわれ市長の力は確実に高まっています。会長として、総理や大臣などに会うとき、関係選挙区の市長からの一言が大変効果的になっていることを実感しています。
 812の会員それぞれが持つ自らのまちへの誇りと自信を結集し、日本を大きく前進させましょう。今後も会員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
 結びに、全国各都市のますますのご繁栄とご発展を祈念申し上げまして、新年のごあいさつといたします。 

( 市政 平成25年1月号より )