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医療制度改革及び医師等確保対策に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H22.11.18)

 

 

医療制度改革及び医師等確保対策に関する決議

 高齢化の進展等に伴う医療費の増嵩は、各医療保険制度の財政運営を 圧迫している。とりわけ、国民健康保険は、加入者における高齢者・低所得者の割合が著しく高いうえ、近年の経済不況に伴う失業者の急増により一段と厳しい事態となっている。
 このような中、政府は、国民皆保険制度の堅持を前提に後期高齢者医療制度を廃止し新たな制度を構築するため、昨年11月以降、「高齢者医療制度改革会議」において検討を進め、年末に予定されている最終とりまとめを踏まえ、明年の通常国会に法案を提出し、平成25年4月から新しい高齢者医療制度を施行することとしている。
 8月に示された「中間とりまとめ」では、市町村国保については、保険財政の安定化、保険料負担の公平化等の観点から広域化を図ることが不可欠であり、都道府県単位の財政運営に向けた環境整備を進めた上で、早期に全年齢を対象とした都道府県単位化を図ることとしている。
 また、自治体病院をはじめ地域の中核病院においては、医師の絶対数の不足等に伴う病院の閉鎖等による地域医療の崩壊など様々な問題が生じ、住民の安心・安全の確保に責任を負う都市自治体や住民生活の根幹を揺るがしかねない事態となっており、早急な対応が喫緊の課題となっている。
 よって、国は、特に下記事項について万全の措置を講じられたい。

 

 

1.医療保険制度について

 (1)後期高齢者医療制度を廃止して新たな高齢者医療制度を創設 するに当たっては、被保険者をはじめ現場に混乱をもたらさないためにも、運営主体を以前の市町村単位に後戻りさせることはあってはならず、その改革の方向としては、すべての国民を対象とする医療保険制度の一本化に向け、国の責任を明確にした上で、都道府県を保険者とし、市町村との適切な役割分担のもと、国民健康保険制度の再編・統合等を行うこと。
 また、再編・統合の時期については、早期に実施するため、当該施行時期を明確に示すこと。

 (2)後期高齢者医療制度の廃止に伴い、市町村の負担増を決して招かないよう、国の責任において万全の対策を講じること。

 (3)新制度発足に伴って発生・波及するシステム経費等については、超過負担を招かないよう必要な額を確実に確保するとともに、速やかな情報提供と十分な準備期間を設けること。

2.医師・看護師等の確保対策及び地域医療の充実について

 (1)産科医・小児科医・外科医・麻酔科医等をはじめとする医師、看護師等の不足や地域ごと・診療科ごとの医師偏在の実態を踏まえ、国の主要施策である質の高い医療サービスの安定的な提供を実効あるものとするとともに、地域を支える医師・看護師等の絶対数を確保するべく即効性のある施策及び十分な財政措置を早急に講じること。

 (2)自治体病院等については、地域の実情に応じた医療を確保することができるよう、十分な財政措置を講じること。
 また、自治体病院をめぐる経営環境が激変していることにかんがみ、経営改善等に係る具体的な情報提供や財政措置などの支援策を積極的に講じること。

 

 以上決議する。

 平成22年11月18日

全 国 市 長 会