ページ内を移動するためのリンクです。

地方分権改革の推進に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H20.11.13)

 

地方分権改革の推進に関する決議

 第二期地方分権改革は、地域に住む住民が自らの意思により地域の行政を決定する「住民自治の拡充のための改革」である。また、国・都道府県・市町村の役割分担を明確化し、二重行政の解消等による行政の簡素化を図ることによって、トータルコストを引き下げ、最も効率的な国の仕組みをつくるための改革である。
 そのためには、市町村が国や都道府県の関与、義務付け・枠付け、国からの財政補助等を基に行政を行うのではなく、自己決定と自己責任の下、地域における住民のニーズ、文化、伝統、個性などに基づいて行政を行うことができる仕組みを実現しなければならない。
 よって、地方分権改革推進委員会をはじめとする政府においては、真の地方分権改革を実現するため、下記の事項に真摯に取り組まれるよう強く要請する。

 

1.「地方の自立に繋がる行政面での分権改革」と「住民自治を可能とする地方税財政制度の構築」の断行
 第二期地方分権改革においては、国・都道府県・市町村の役割分担を明確化したうえで、�@事務事業の再配分、国等の関与、義務付け・枠付けの廃止・縮小を行う「地方の自立に繋がる行政面での分権改革」、�A税源移譲の推進、地方交付税制度の再構築、国庫補助負担金等の廃止等の「住民自治を可能とする地方税財政制度の構築」を断行すること。

2.都市自治体への権限移譲の推進
 国・都道府県・市町村の役割分担に基づく事務事業の再配分に当たっては、「基礎自治体優先」の原則、「補完性・近接性」の原理に基づき、都市自治体が住民に身近な事務事業を地域において総合的・一体的に遂行できるよう、包括的に移譲するとともに、自由度の高い行政運営が可能となる推進方策を講ずること。
 また、国から地方、都道府県から市町村への権限移譲に当たっては、税源移譲等による適切かつ確実な財政措置を行うとともに、必要不可欠である専門的な人材育成等の仕組みを構築すること。
 なお、医療・福祉制度などの国の制度改正に当たっては、その企画・立案段階から地方との協議を実施し、その意見を反映させるものとすること。

3.義務付け・枠付け、関与の廃止・縮小と条例制定権の拡大
 義務付け・枠付け、関与の見直しと条例による法令の上書き権を含めた条例制定権の拡大については、都市自治体の自主性を強化し、政策や制度の問題を含めて自由度を拡大する姿勢に立ち、「全国的に統一して定めることが必要な場合」等を極力限定的にとらえて見直しを行うこと。

4.国の出先機関の見直し
 国の出先機関の見直しについては、二重行政の解消等、国・地方双方の行政の簡素・効率化に資するものであり、また、地方分権改革の推進に不可欠なものであることから、昨年9月に地方六団体が提出した「地方支分部局の整理について」の考え方等に基づき、抜本的な改革を断行すること。

5.税財政改革の推進
 地方が担う事務と責任に見合う税財源配分を基本とし、当面、税源移譲による国・地方の税源配分「5:5」の実現を図ることにより、地方の財政自主権を拡充するとともに、地方消費税の充実を含む税源の偏在性が少なく安定的な税収を確保できる地方税体系を構築すること。
 また、安全・安心な住民生活を保障するために地方交付税の有する財源調整・財源保障の両機能が充分発揮できるよう、地方交付税総額を復元・増額し、一般財源の充実を図るとともに、「地方交付税」を国の特別会計に直接繰り入れ等を行う「地方共有税」構想を早期に実現すること。

6.「(仮)地方行財政会議」の法律による設置
 地方に関わる事項について、政府と地方の代表者等が協議を行い、地方の意見を政府の政策立案及び執行に反映させる「(仮)地方行財政会議の法律による設置」を第二期改革において実現すること。

7.「新分権一括法(仮称)」の制定
 国は地方分権改革推進委員会の勧告等を尊重すること。また、地方分権改革推進計画の作成にあたっては、地方と十分協議すること。さらに、計画作成後、速やかに「新分権一括法(仮称)」を制定すること。

8.国・地方を通じた行財政改革の推進
 都市自治体は、市町村合併等による行政組織の再編統合や国に先駆けて大幅な定数削減や給与カットなど、懸命に行財政改革に取り組み、国を上回るペースで歳出削減努力を行ってきた。今後も、さらなる行財政改革を進め、効率的な行財政運営に努め、住民サービスの向上を図りながら、財政再建に取り組む決意である。
 国と地方の二重行政の排除、地方に対する国の関与の廃止・縮小等、地方分権改革の推進こそが国・地方を通じた最大の行財政改革につながることから、国は、出先機関の廃止等、遅れている自身の行財政改革を断行すること。