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港湾・海岸に関する要望

全国市長会の主張  -要望- H20.6



港湾・海岸に関する要望

 

 国民生活・産業活動を支える重要な社会資本である港湾・海岸保全等の整備促進を図るため、国は、次の事項について積極的な措置を講じられたい。

1.港湾・海岸整備事業を計画的、かつ効果的に実施するための所要の措置を講じるとともに、財源を十分に確保すること。

2.大規模地震、津波及び台風等から国民の財産・生命を守り、迅速な災害復旧等を可能にするためにも、防波(潮)堤や海岸保全施設等の高潮・津波対策を推進するとともに、耐震強化岸壁等の防災拠点の整備及びハザードマップ作成支援等のハード・ソフト一体となった港湾における総合的な防災・減災対策を強化・促進すること。

3.我が国経済の活性化を図り、民需・雇用の創出に資するため、国際流通港湾及び地方港湾の物流機能の強化を図り、国際海上コンテナターミナルや大深度岸壁、航路再生等の総合的な物流基盤の施設整備の推進を図ること。
 また、背後地との物流の円滑化のため幹線臨港道路の整備を推進すること。

4.効率的な国内物流体系を構築するため、国際複合一貫輸送等に対応した鉄道貨物ターミナル等を促進するとともに、環境にやさしいモーダルシフトを促進すること。

5.民間施設を含めた既存港湾ストックの有効活用を図るため、官民一体となった取り組みを支援するとともに、維持補修に要する財政措置を講じること。

6.観光の振興や地域の活性化に資するため、港湾・海辺の資産を活用した交流空間の整備・充実等を推進し、みなとまちの振興施策の推進・拡充を図ること。
 また、国際クルーズネットワークに対応した旅客船専用岸壁や旅客ターミナルの整備を図ること。

7.循環型社会の実現を図るため、広域的なリサイクル施設の立地に対応したリサイクルポート等、港湾を核とした総合的な静脈物流システムの構築を推進すること。

8.港湾・海岸を整備する際に、自然と共生した社会の構築を図るため、自然共生型の事業を推進するとともに、海辺を活用した環境学習を推進すること。

9.海面処分場を確保するため、廃棄物埋立護岸の整備を促進すること。

10. 港湾の保安対策を推進するため、財政支援の拡充を図ること。

11.港湾に整備する基幹的広域防災拠点は、その広域性と発災時の円滑な機能転換等を考慮し、通常時においても国直轄で維持管理を行うこと。

12.新産業都市建設基本計画に基づいて決定した重要港湾建設の残事業の実施に対する地元市町村の費用負担に対し、特段の財政措置を配慮すること。

13.浸食が進んでいる海岸について、侵食対策への技術的支援を講じるとともに、消波ブロックの設置及び嵩上げ等の浸食対策施設整備を積極的に推進するよう財政措置の充実を図ること。

14.海岸へ漂着する廃棄物の対策について

(1)海岸漂着ごみの処理の大半は地元市町村及びボランティアが行っている実態から、国は海岸管理者、関係自治体及び住民が協働して取り組むことができる海岸漂着ごみの処理体制を早急に確立するとともに、市町村が実施する漂着ごみの適正処理に要した経費に対し十分な財政措置を講じること。
 また、併せて国、県関係機関において海浜等の清掃を実施すること。
(2)漂流・漂着ごみ問題について、日本海周辺諸国に対して、外交ルートを通じて連携を強化し、原因究明に努めるとともに、不法投棄防止対策や適正処理について協力要請を行うこと。
(3)流出油の汚染防止と同様に、海上保安庁等に漂流ごみの海上回収 の専用船舶を配置し、国が漂流ごみの漂着前回収に積極的に取り組むこと。