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地域医療保健に関する要望

全国市長会の主張  -要望- H20.6



地域医療保健に関する要望

 

 地域医療保健の充実強化を図るため、国は、次の事項について積極的な措置を講じられたい。

1.政府・与党の「緊急医師確保対策(平成19年5月)」等について

(1)医師不足の解消や地域ごと・診療科ごとの医師偏在の是正を図るため、都道府県域を越えた需給調整システムや医師派遣体制の構築を着実に推進するとともに、医学部定員の更なる増員や各種対策に係る十分な財政措置等、医師の絶対数を確保するための実効ある措置を講じること。
(2) 産科・小児科医等の不足が深刻な診療科や救急医療において、医師の計画的な育成、確保及び定着がなされるよう、実効ある施策及び十分な財政措置を講じること。
 また、産科・小児科医の集約化・重点化にあたっては、自治体病院に適切な配慮を行うとともに、妊産婦の通院等に支障が生じることのないよう必要な措置を講じること。
(3)医学部入学に際し、実効ある「地域枠」を設けること。
 また、地域医療を担う医師を養成するための「奨学金制度」等の創設や医学部における「専門講座」の設置を促進するとともに、十分な財政措置を講じること。
 また、医学生等への奨学資金貸付返還金の免除等について、非課税措置とすること。
(4)看護師等の養成・確保を図るため、養成機関の充実や勤務条件の改善等適切な措置を講じるとともに、財政措置等の充実を図ること。
(5)育児休業後の円滑な職場復帰等、女性医師等が継続して勤務できる体制を整備すること。
(6)新医師臨床研修制度の導入に伴い、地域医療を担う医師が不足している深刻な事態を踏まえ、同制度の改善を図ること。
(7)医師等に一定期間、地域医療従事を義務付けることについて検討すること。
(8)病院勤務医の勤務環境を改善する方策を講じること。
(9)分娩を取り扱う医療機関を補完する助産所の設置等について、必要な財政措置を講じること。

2.自治体病院について

(1)自治体病院をはじめ地域の中核病院の施設整備、及び高度医療化等医療体制の拡充強化等について、十分な財政措置を講じること。
 また、病院事業債の所要額を確保し、償還期間の延長を図ること。
(2)中核病院機能の確保、緊急医療体制の確保等に資する一般会計からの繰出し、並びに公的医療機関及び規模の縮小・廃止を余儀なくされる病院等に対し、十分な財政措置を講じること。
(3)地域医療の確保に支障が生ずることのないよう、公立病院改革ガイドラインを推進すること。
 また、病院の再編・統合に要する経費について、十分な財政措置を講じること。
(4)市町村合併に伴う自治体病院に対する特別交付税の激変緩和措置について、措置経過後においても当該措置を継続すること。
(5)自治体病院の医師及び看護師の定員を一般職とは別枠とするよう、集中改革プランに係る定員管理の適正化計画の見直しを行うこと。

3.救急医療について

(1)救急医療体制の充実を図るため、十分な財政措置を講じること。
(2)小児救急医療体制の整備及び運営等について、財政措置の拡充を図ること。
(3)第三次医療機関・救命救急センターについて、ドクターヘリの導入を促進し、救命救急医療体制を充実するとともに、財政措置の拡充を図ること。

4.がん対策について

(1)「がん対策基本計画」における受診率を達成できるよう、がん検診事業に対する財政措置を講じること。
(2)地域がん診療連携拠点病院について、地域の実情に応じた指定が行われるよう、運用改善を図ること。
 また、がん診療の拠点となる医療機関の施設整備等について、十分な財政措置を講じること。

5.予防接種について

(1) 新型インフルエンザの感染予防等のため、都市自治体が実施することとなる対策について、必要な支援策や財政措置を講じること。
(2)都市自治体が費用を負担する任意予防接種事業等に対する財政措置を講じること。
(3)医学的判断により生後6ヶ月以降1歳に達するまでの期間に行われるBCG接種を定期接種として位置付けること。
(4) 日本脳炎接種の差し控えにより、法定の年齢から外れてしまう者に対し、旧型のワクチンの確保等十分な経過措置を講じるとともに、接種が再開された際は定期接種として位置付けること。
(5) 平成20年度から5年間の時限措置として実施される麻しん予防接種について、十分な財政措置を講じること。
(6)予防接種による後遺症等の治療のため、居住地から遠距離の病院に通院しなければならない患者に対し、十分に配慮すること。
(7) 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」により保護された者に対する予防接種について、地域格差が生じないよう、適切な措置を講じること。

6.各種医療費助成制度について、都市自治体の規模や財政状況等による格差を解消し、国の責任において、国民が公平に医療給付を受けられるようにすること。
 また、すでに実施している各種医療助成について、財政措置を講じること。

7.保険適用外の不妊治療のうち、人工授精及び既に助成制度のある特定不妊治療を保険適用とするとともに、治療が受診しやすくなる対策を講じること。

8.小児慢性特定疾患治療研究事業における医療費自己負担分の補助基準について、実態に即すよう見直しを行うこと。

9.脳脊髄液減少症について、治療法を早期に確立するとともに、患者の経済的な負担軽減策を講じること。

10. 住民検診に係る高額医療機器の整備について、財政措置の充実を図ること。

11.救急医療における外国人医療費未払いについて、財政措置の拡充を図ること。