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三位一体改革の確実な実現による都市税財源の充実確保に関する重点要望

全国市長会の主張  -要望- H17.11


三位一体改革の確実な実現による都市税財源の
充実確保に関する重点要望


 三位一体改革の確実な実現による都市税財源の充実確保を図るため、国は、次の事項について積極的な措置を講じること。

1.三位一体改革の推進について
    (1)3兆円規模の税源移譲
     平成18年度の税制改正において、個人住民税(所得割)の10%比例税率化により、おおむね3兆円規模の税源移譲を確実に実施すること。その際には、基礎的行政サービスを担う市町村に十分配慮すること。
     また、税源移譲の内容、実施時期等を早急に明らかにするとともに、所得課税全体で実質的な増税とならないよう、納税者負担の調整措置を適切に行うこと。

    (2)税源移譲に結びつく国庫補助負担金改革の推進
     税源移譲に結びつく補助金改革は、地方の意見を尊重し、地方の改革案に沿って実現すること。特に、社会福祉施設など住民生活に直結する基礎的サービスを提供する施設に係る国庫補助負担金は優先して廃止し、源移譲すること。
     その際、特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、十分配慮すること。
     また、交付金化等は、国に権限と財源が残り、補助金と何ら変わらないことから、認められない。さらに、本来、国の責務として行うべき生活保護費などの負担転嫁は絶対に受け入れられない。
     なお、義務教育国庫負担金等の税源移譲については、最終的には「国と地方の協議の場」において協議、決定すること。

    (3)地方交付税総額の確保
     平成18年度の地方交付税については、「基本方針2005」を踏まえ、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額を確保するとともに、地方交付税の財源調整・財源保障の両機能を強化すること。
     また、地方財源不足に対する補てんは、地方交付税の法定率分の引上げで対応するとともに、税源移譲の実施による地方交付税原資の減少分に対しては、地方交付税率の引上げ等の措置を講じること。

    (4)地方財政計画への決算の反映及び中期地方財政ビジョンの策定
     地方財政計画と決算の乖離については、地方単独事業の大幅な削減といった一面的な見直しではなく、地方における施策の取組みや決算状況の実態を踏まえ、投資から経常への需要構造の変化を的確に地方財政計画に反映させること。
     また、地方団体が計画的な行財政運営を行うことができるよう、地方財政の中期的なビジョンを策定するとともに、将来においても地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額を確保すること。

    (5)「第2期改革」の 実施と「国と地方の協議の場」の制度化
     地方分権を一層推進するため、国と地方の最終支出と税源配分の乖離を縮小するため、消費税を含めた基幹税により8兆円の税源移譲を積極的に進めること。そのため、19年度以降も「第2期改革」として更なる改革を行うこと。
     また、「国と地方の協議の場」を、今後、定期的に開催し、これを制度化すること。

2.固定資産税の現行制度の堅持と負担水準の均衡化促進
    (1)商業地等の負担水準の上限70%の堅持
     固定資産税収は、平成12年度以降減収傾向が続いており、さらに、平成18年度は評価替えが行われるため、地価や建築物価の下落等により、大幅な減収となる見込みである。このことから、都市財政は、より一層厳しい状況に追い込まれることは必至であるため、税収の安定的確保を図るうえからも、特に商業地等の負担水準の上限については、現行の70%を堅持すること。

    (2)負担水準の速やかな均衡化と制度の簡素化
     宅地の負担調整措置について、課税の公平性の観点から、速やかに負担水準の均衡化を図るとともに、納税者がより理解しやすい課税の仕組みとなるよう制度の簡素化を図ること。

3.地方債資金の安定的確保と弾力的運用
 地方債については、平成18年度より許可制から協議制に移行されることとなっているが、引き続き生活関連社会資本等の整備を推進するため、所要の地方債総額を確保するとともに、長期・低利の良質な公的資金の安定的確保を図ること。そのため、公営企業金融公庫の機能は今後とも堅持すること。
 また、政府系資金の繰上償還や借換債の発行について、その見直しを含めた弾力的措置を講ずるなどにより、公債費負担の軽減を図ること。
 さらに、退職手当債、地域再生事業債等について、都市自治体の実情に十分配慮し、弾力的な運用を図ること。

以上要望する。