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医療保険制度改革に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H14.11.14)



医療保険制度改革に関する決議


 我が国では、急速な少子高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の意識の変化など、医療保険制度を取り巻く環境が大きく変化している。こうしたことから、保険料収入が伸び悩む一方、老人医療費を中心とする国民医療費が増大しており、医療保険財政を強く圧迫することになり、各医療保険の運営を一段と困難にしている。特に、国民健康保険は、制度発足当初に比べ高齢者や無職者などの低所得者の被保険者が著しく増加しており、財政運営は、極めて厳しい状況である。このため、本会をはじめとする国保関係者は、将来にわたって国民皆保険制度を堅持するために、従来から、すべての国民を通ずる医療保険制度への一本化を主張してきた。
 国は、昨年末の医療制度改革大綱において、「医療保険制度の一元化」を将来の方向の有力な考え方とし、第154回国会で成立した健康保険法等の一部を改正する法律の附則では、同大綱に示された方向の下、将来にわたって医療保険制度の安定的運営を図るため、医療保険制度の体系の在り方等について、平成14年度中に基本方針を策定することとしている。また、厚生労働省は、これらの諸課題について検討するため、「医療制度改革推進本部」を設置し、保険者の将来像や新たな高齢者医療制度などについて、有識者との意見交換などを行いながら具体的な検討を進めているところである。さらに、坂口厚生労働大臣は、制度の一元化を将来像とし、今後の改革の道筋を示した医療制度改革私案を9月25日に公表したところである。厚生労働省としては、これらを踏まえた基本方針案を提示することとしている。
 以上のような状況に鑑み、国においては、下記の事項を実現するよう強く要請する。



1.健康保険法等一部改正法に基づく医療保険制度の体系の在り方等の基本方針の策定にあたっては、市町村の意見を十分聞き反映させること。特に、将来にわたり持続可能で安定した保険運営の下で国民医療を確保することができるよう、医療制度改革大綱で示された「一元化」の方向に沿い、本会をはじめとする国保関係団体がこれまで主張している「すべての国民を通ずる医療保険制度への一本化」の考え方を尊重したものとすること。

2.国民健康保険が、一般会計からの多額の繰入れを余儀なくされている実態を踏まえ、健康保険法等一部改正法に盛り込まれた国保の財政基盤の強化策を確実に実行するとともに、国の責任と負担において、財政上十分な措置を講じること。

以上決議する。

平成14年11月14日
全 国 市 長 会