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22.介護保険に関する要望

○「決議要望事項」[平成10年11月12日 全国市長会 理事・評議員合同会議決定]


介護保険に関する要望


 介護保険制度の円滑な導入を図るため、国は、平成11年度介護関係予算の確保を図り、市町村に積極的な支援措置を行うとともに、特に次の事項について万全の措置を講ぜられたい。

1.介護サービス基盤の整備
 (1) 介護保険制度の円滑な運営を図るため、施行後の需要増に対応できるよう、サービス供給体制の整備に対する財政措置を講ずること。
  また、居宅介護サービス事業者及び介護保険施設に対するサービス内容の質の確保を図るため、適切な措置を講ずること。
 (2) 特別養護老人ホーム入所者のうちには継続入所することができず、しかも帰宅することが困難なためケアハウス等の施設に移らざるを得ない者もあることが考えられるので、その受け皿となる施設の整備について必要な措置を講ずること。
 (3) 介護報酬単価の設定にあたっては、地域特性に配慮するとともに、民間事業者の参入を促進するため、適切なものとすること。
 (4) 現金給付を含め、家族介護に対する支援策について、さらに検討を加えること。
 (5) 介護保険による居宅療養管理指導と医療保険からの類似の保険給付の間の整合性などを図るとともに、介護保険及び医療保険両者の給付の範囲を明確にすること。

2.財政運営
 (1) 低所得者について何らかの負担軽減措置を講じざるを得ない場合、必要な財政措置を講ずること。
 (2) 収納率の向上とコスト面での効率化の観点から、第1号保険料に係る特別徴収の範囲を拡大するとともに、生活保護費については、保険料相当額を生活扶助費支給時点において控除することができるよう、関係法令の改正を含め、必要な措置を講ずること。
 (3) 介護保険料の上乗せによって国民健康保険の保険料(税)の収納率がさらに低下するおそれがあるが、そのような場合、これに対し必要な財政措置を講ずること。

3.要介護認定
 (1) 要介護認定が公平・迅速に行われるよう、適切な要介護認定基準を設定するとともに、要介護判定調査に携わる介護支援専門員等の育成対策を積極的に推進すること。
  また、かかりつけ医の意見書料及び認定審査委員会の委員報酬については、実態にあった単価を設定し、財政措置を講ずること。
 (2) 要介護認定に係る不服や介護サービス供給内容についての苦情等に的確に対処できるよう、適切な処理体制を確立すること。

4.事務処理体制
  介護保険制度施行までの間、各市町村においては、現行の措置制度に係る事務と介護保険の準備作業とが併存することとなり、人員・経費の確保に大変苦慮しているところである。そのため、国において、人員の確保に必要な措置を講ずるとともに、介護保険事業計画作成経費、電算処理システム開発経費等の諸経費について、必要な財政措置を講ずること。

5.その他
 (1) 介護保険制度を円滑に運営していくための準備の都合上、早期に確定する必要がある事項が多数あるので、それらについては、必要に応じて、市町村と協議しながら速やかに決定し、地方公共団体に対し明示すること。
 (2) 介護保険制度の内容について国民の理解を得るため、国においても十分な広報を行うこと。
 (3) 介護が必要な第2号被保険者である障害者が、第1号被保険者となったときに生じる負担増について、障害者に対する施策との均衡を考慮した措置を講ずること。
 (4) 介護保険制度の円滑な運営を確保するため、保険者である市町村において、介護サービス供給機関からの情報提供等により、介護サービスの実情を把握することができるよう、適切に措置すること。
 なお、被保険者の個人情報の保護について、十分に配慮すること。

以上要望する。