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廃棄物に関する要望


廃棄物に関する要望


 都市自治体においては、廃棄物に係る諸問題について、それぞれの地域の状況に応じながら必要な対策を十分に講じていかなければならないが、特に、ダイオキシン問題については、実態に即した総合的な対策を早期に確立し、実施することが急務となっている。  また、発生抑制、リサイクル、適正処理を一元的に捉え、物質循環を目指した資源循環型社会を構築し、行政、事業者、住民の役割分担を明確にすることが求められているが、その実現に向けたダイオキシン対策及び総合的な廃棄物政策を推進するため、国は、次の事項について積極的な措置を講ぜられたい。

1.ダイオキシン対策等廃棄物処理について
(1) ダイオキシン発生抑制のため、ダイオキシン類の発生メカニズムの解明、小規模な施設を含めた廃棄物焼却施設での発生防止技術の確立、廃棄物焼却施設における焼却灰や周辺土壌の無害化処理技術の開発、環境負荷が少ない製品の開発・製造等、ダイオキシン対策に関連する技術的な諸問題を早期に解決すること。
(2) 廃棄物処理諸施設の整備を促進するため、所要予算額を確保すること。
 また、補助対象施設の範囲を拡大するとともに、施設・設備改良に対する補助率を引き上げるとともに、周辺地域対策等の施設整備、ごみの固形燃料化施設(RDF化施設)、焼却灰溶融化施設の整備、施設周辺の土壌対策等について、国の財政措置を大幅に拡充すること。
(3) ダイオキシン類に関する環境対策のために必要となる環境影響等の実態調査、測定体制の整備などについても財政措置を大幅に拡充すること。
(4) 焼却によりダイオキシン類の発生の恐れがあると指摘されている塩素系プラスチック類の製造・使用を抑制するとともに、素材表示の義務化を図ること。
(5) 水質及び土壌に含まれるダイオキシン類の環境基準を設定するとともに、最終処分場の立地場所に係る安全基準を設定すること。
(6) ダイオキシン対策に係る農作物の安全基準を設定するとともに、経済的不利益が生じた場合に対する救済措置を図ること。
(7) 民間の資金・ノウハウを活用したPFI手法による廃棄物処理施設の整備を促進すること。
(8) 野焼きの自粛に伴い処理が困難になっている1・2級河川の雑草について、堆肥化など焼却によらない施策の促進を図ること。
(9) 廃棄物処理施設の必要性や安全性に関する広報の徹底、国民の理解を得るような環境整備を図るとともに、国民が安心できる廃棄物処理基準の明確化を図ること。

2.総合的な廃棄物政策等について
(1) 廃棄物の発生抑制、リサイクル、適正処理を一元的に捉え、総合的な法律の整備を行うこと。
(2) 古紙等の再商品化と再生製品の利用を促進するため、再生資源物の安定流通対策を推進し、使用比率の向上、市場価格の安定化を図ること。
(3) 焼却残灰及びプラスチックごみの溶融固化・資源化に係る技術開発の推進を図ること。

3.容器包装リサイクル法・家電リサイクル法について
(1) 国、事業者において、容器包装廃棄物の分別収集及び再商品化費用等を適正に負担する措置を図り、市町村の負担を軽減すること。
 また、事業者に対する自主回収の促進を図ること。
(2) 素材表示の義務化、リサイクルしやすい製品の開発・製造、容器包装使用量の削減、材質の統一、製品のリターナブル化、デポジット制の導入、環境負荷が少ない材料の使用等を図ること。
(3) 再商品化の技術開発に取り組むとともに、発生抑制を図り、再生資源物の使用比率の向上及び安定的な流通対策を推進すること。
(4) 容器包装リサイクル法の対応のための処理施設を整備するとともに、所要人員、備品購入に係る財政支援措置の充実を図ること。
(5) ペットボトルについては、市町村の分別収集量と再商品化量との乖離が生じ、市町村の保管に係る負担が増大していることから、再商品化施設の整備促進を図るなど必要な措置を早急に講じること。
(6) 国、市町村、指定法人及び事業者の意見交換・調整の場を設けること。
(7) 家電リサイクル法について、市町村の意見を尊重の上、市町村に過大な負担が生じないよう必要な措置を図ること。

4.産業廃棄物について
(1) 産業廃棄物処理施設の安全性及び災害防止対策に関する施設基準等の強化を図ること。
(2) 生活環境保全上、支障があると認められる地域における産業廃棄物処理施設の立地制限などの措置を講じること。
(3) 産業廃棄物の適正な処理をするために自治体が出資または経営に参画する産業廃棄物処理施設への財政支援措置の充実を図るとともに、一般廃棄物処理と同様に公的機関が関与できる施策を確立すること。

 以上要望する。

 平成11年11月11日
全 国 市 長 会