第73回全国市長会議 決議
介護保険制度に関する決議
都市自治体は、介護保険制度発足以来、制度の円滑な運営のため、懸命な努力を行っているところであるが、依然として課題は山積している。 本年4月からは、第2期事業運営期間に入っているが、本会が全都市を対象に実施した調査によると、第1号保険料については、基準月額の平均は3,250円(12.8%増)となっており、制度導入時に試算されていた保険料を大きく上回っている。 このような状況を踏まえ、国は、市町村が行う介護保険事業の円滑な実施に配慮し、法施行後5年を目途に制度全般に関して検討を行い、その結果に基づき必要な見直しの措置を講じることとされている。 国は、制度見直しの検討にあたり、第1期事業運営期間の厳しい実情を十分踏まえるとともに、保険者である市町村の意見を尊重し、市町村に過重な負担を強いることなく、全ての被保険者が安心して保険サービスを受けることができる制度とする必要がある。 よって、国は、介護保険制度の持続的かつ安定的運営を図るため、下記事項を実現するよう強く要請する。 記
1.国が実施している低所得者対策は、制度として不十分であり、その結果、保険者によっては、やむをえず保険料、利用料の軽減措置を行っている実情にある。国は、社会保障の各制度を通じる低所得者の定義を含め抜本的な検討を行い、その責任において総合的統一的な低所得者対策を講じること。 2.介護給付費負担金を25%とし、調整交付金は別枠とすること。 また、財政安定化基金の原資については、国及び都道府県の負担とすること。 3.第1号保険料の徴収率の向上を図るため、全ての年金からの特別徴収を可能とすること。 4.有料老人ホーム等の特定施設並びにグループホーム及び養護老人ホームの入所者に対しても住所地特例を適用すること。 また、適正なサービスの提供が行われるよう、国及び都道府県において、これらの指定居宅サービス事業者に対する指導・監督を強化するとともに、同事業者が適正なサービスの提供を行っているか否かを保険者が見極められるよう、国、都道府県と市町村との連携を図る方策を講じること。 5.介護保険事務費交付金については、市町村の超過負担が生じているので、実態に見合った所要額を確保すること。 以上決議する。 平成15年6月12日 第73回全国市長会議 |