第70回全国市長会議 決議
介護保険制度に関する決議
介護保険制度については、その施行を目前にして準備に追われている時期に、1号保険料の半年間徴収見送り等の見直しが行われ、また、運営上の具体的な事項の決定が遅れる等、保険者である市町村としては極めて困難な状況におかれた。 そのような経過はあったが、関係者の懸命の努力により、本年4月から介護保険制度は施行されている。 介護保険は、医療保険等との関係も深く、その円滑な運営のためには広範囲にわたる条件整備が必要であることから、本会としては、これまで繰返し各般の事項について国に要請してきた。制度施行後の現在においても、要介護認定や介護サービスの確保、さらには将来を見通した介護保険財政の健全性の確保などになお多くの問題があると考えられる。本会としては、さらに実態の把握に努め、必要な意見を述べていく考えであるが、国においては、当面、下記の事項について速やかに必要な措置を講じられるよう強く要請する。 記
1.制度の施行により当面課題となっている次の事項について必要な措置を講じること。
2.低所得者についての総合的な対策をこれまでも要請しているが、国の特別対策による自己負担の軽減策が新規認定の低所得者を対象としていないことなどの問題が新たに生じているので、これらを含めて抜本的に検討し、国費による恒久的な対策を速やかに確立すること。 3.本年10月から1号保険料を徴収することとなるが、これが、円滑に運営されるよう、国において国民に対する広報等万全の対策を講じるとともに、2号保険料についても介護保険及び国民健康保険の運営に支障が生ずることのないよう必要な措置を講じること。 4.介護保険の円滑な運営のためには、公平な負担のもとに将来にわたる財政の健全性を確保することが不可欠である。市町村によっては介護給付費に対する1号保険料の負担割合が国が示した基本的な比率(17%)をこえることとなる現在の調整交付金についてこれまで要請してきたように別枠化し、また財政安定化基金の国及び都道府県による負担を速やかに実現するほか、介護給付費、要介護認定事務費、システム改修に要する経費に対する国の措置については、実態に即してこれを完全に行うとともに、低所得者対策その他関連して必要となる都市自治体の財政負担について国として十分な措置を講じること。 以上決議する。 平成12年6月7日 第70回全国市長会議 |