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「歳出・歳入一体改革に向けた取り組み方針(素案)」について(地方六団体)(平成18年6月23日)

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地方六団体  
全国知事会会長 麻生  渡
全国都道府県議会議長会会長 島田  明
全国市長会会長 山出  保
全国市議会議長会会長 国松  誠
全国町村会会長 山本 文男
全国町村議会議長会会長 川股  博

 

 本日、「歳出・歳入一体改革に向けた取り組み方針(素案)」が示されたが、そこでは、一方的な地方交付税の抑制や地方単独事業の削減など、極めて問題がある内容が含まれており看過できない。

 このような国の財政の都合のみを優先した歳出及び歳入の改革が行われ、地方が益々疲弊するようであれば、国と地方の信頼関係は大きく損なわれてしまうばかりではなく、地方の民意に大きな打撃を与えるものである。

 ついては、今後も地方がそれぞれの地方力を活かし、意欲を持って地域づくりに取り組めるようにすべきであり、地方六団体が6月7日に地方自治法の規定に基づき、内閣及び国会に提出した「地方分権の推進に関する意見書」を踏まえつつ、以下の点について反映されるよう強く求めるものである。

 歳出・歳入一体改革が、国・地方双方が納得できる改革となるよう切に望むものである。

 

1 地方交付税について 

 今後も地方は、行財政改革に不退転の決意で取り組んでいく覚悟であるが、一方で、社会保障費の増等が予想される中、中間支出である地方交付税の総額を据え置くことは、地方交付税制度の本質論を無視するものである。また、将来の国税の増収が反映されず、実質的に法定率の引き下げと同じこととなり、到底受け入れられるものではない。

 地方交付税は、地方の固有財源であり、「地方共有税」とすべきものである。「国・地方のバランスのとれた財政再建の実現」の名の下に、地方交付税の総額にキャップをはめることは、単なる国の赤字の地方へのつけ回しであり、改革の名に値しない。

 地方交付税が一方的に抑制されれば、税源に乏しい地方の財政は立ちゆかなくなり、中央と地方の格差は益々拡大することが懸念される。

 

2 地方単独事業について

  地方単独事業は、国の関与を受けず、地域の実情に応じ地方自らの創意・工夫により住民サービスを提供するものであり、“地方自治”そのものである。これが削減されれば、地方自治どころか地方は国の下請け機関になってしまう。

  国庫補助負担金の廃止や税源移譲により、むしろ地方単独事業を増やすという分権改革をすすめている中で、この削減は流れに逆行するものである。

 

3 人件費について

 5年間で6.2%の定員純減は、地方の最大限の努力によるものであり、国(5%)を上回る削減部分は、各地方団体に還元し、交付税の圧縮につなげるべきものではない。

 

4 「新地方分権推進法」の制定について

 2007年度以降の第二期改革を、国民・国会の力で強力に推進するため、「(仮)新地方分権推進法」を制定すべきである。

 

5 税源移譲について

 地方の自立を図るため、国から地方への税源移譲により、国税と地方税の税源配分を5:5にすべきである。

 

6 国庫補助負担金の削減について

 国庫補助負担金の総件数を半減(一般財源化)し、地方の自由の拡大を図るべきである。