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高速道路等の整備に関する意見(平成14年8月9日)

全国市長会は、平成14年8月9日に、道路関係四公団民営化推進委員会へ「高速道路等の整備に関する意見」を提出いたしました。
高速道路等の整備に関する意見 (pdf)

 

高速道路等の整備に関する意見
 平成14年8月
全国市長会
 
本会において、道路政策全般について都市自治体に意見を求めたところ、高速道路や有料道路に関する意見が多数寄せられた。
このことは、現在、国において進められている道路関係四公団の新たな組織やその採算性の確保についての調査審議に対して、都市自治体が大きな関心を寄せており、その方向に危惧を抱いている現われであると考える。
本会では、これらの意見を基に、現段階での考え方を次のとおり表明する。
今後とも、必要に応じ、さらに意見を申し述べていく考えである。
 
1.地方の意見の反映について
高速道路等の整備水準は、地域によって大きな開きがあることから、道路関係四公団民営化推進委員会における検討に際しては、大都市在住者の意見ばかりでなく、地方の意見を真摯に聞くとともに、その意見を反映させることが重要である。
 
2.高速道路等の整備促進について
高速道路等の整備の必要性については、都市自治体から次のような意見がある。
  高速道路等は、広域物流や地域間の交流・連携に大きな役割を果たすものであり、それぞれの都市が、その地域の自然、歴史、文化等の地域資源を活用し、活性化を図る上で極めて重要な社会経済基盤である。
また、都市間競争・地域間競争の時代といわれるが、高速道路等はその競争の前提として各地域に整備しなければならない基礎的な社会インフラである。高速道路ネットワークの整備がなされなければ、地方都市の命脈を絶つことにもなりかねず、地域間格差がさらに拡大することになる。
  高速道路等は、ネットワークを形成してこそ本来の機能を発揮できるものであるが、未だ欠落区間があり、十分機能していない状況にあるため、その整備促進が必要である。
  地方には、災害の発生等によって交通の分断が懸念される地域も未だ少なくなく、高速道路等は緊急輸送路・避難路として必要であるとともに、高次医療機関へのアクセスなど救急活動の円滑化にとっても不可欠なものである。
  地方には、公共交通機関が未発達で、生活を自動車交通に依存している地域も多く存在しているが、これら地域においては、高速道路等は地域住民にとって必要不可欠な生活基盤である。
  高速道路等が整備されれば、通過交通など一般道路の交通が減少するため、多大な経済的損失や生活環境の悪化を招いている渋滞の緩和が図られるとともに、交通事故の減少に大きく貢献する。
  各地域は、計画路線が整備されることを前提にまちづくりを行ってきているところであり、仮に計画が変更され、高速道路等の整備がなされなければ、多大な影響が生じることとなる。
上記で述べたように、今後とも高速道路等の整備は必要であり、単に採算性の問題だけで論じることができないものである。
したがって、国の責任において、11,520kmの高速自動車国道ネットワークの整備を積極的に推進し、早期に完成させることが必要である。
 
3.高速道路等の整備財源について
高速道路の整備にあたっては、全国料金プール制を活用し、その早期完成を期することが必要である。
また、高速道路は、国土政策上の観点から、国の責任において整備すべきものであり、その整備や公団が抱える債務超過の解消に際して、地方に新たな負担を求めるべきではない。
なお、高速道路等は生活道路としても利用されていることから、利用しやすい多様な料金体系を導入することも必要である。
 
4.道路特定財源について
道路特定財源については、地方における道路整備率が低いことや、生活者重視の施策の展開等のため、道路整備費は今後とも大きな需要が見込まれるところであり、こうした地域のニーズを十分勘案し、それに対応できるよう存続させるべきである。
特に、市町村道の整備水準及び市町村道に係る特定財源比率は、国に比べ依然として低い状況であることから、自動車重量譲与税等の市町村への配分割合を引き上げるなど、市町村道路財源の充実強化を図ることが必要である。