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自動車のリサイクルシステムに関する意見(平成13年8月27日)

 全国市長会は、平成13年8月27日に、パブリックコメントに付されていた「新たな自動車リサイクルシステムの構築に向けて(案)」に関して、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキンググループへ意見を提出いたしました。
 

−産業構造審議会パブリックコメント資料−
1.本文(PDF形式:105KB)
2.別添1(PDF形式:16KB)
3.別添2(PDF形式:18KB)
4.別紙(PDF形式:16KB)
5.参考資料(PDF形式:551KB)


自動車のリサイクルシステムに関する意見
平成13年8月
全 国 市 長 会

Ⅰ.新たな自動車リサイクルシステムの構築に向けた基本的な考え方
 自動車リサイクルシステムの構築にあたっては、循環型社会形成推進基本法に規定する「拡大生産者責任」によることを明文で明らかにするとともに、具体的な内容については、不法投棄自動車の処理を含めて、この原則により定めることとすべきである。
 また、既に多数の関連事業者によって、相当程度処理されている実態があり、さらに今後の技術開発等自動車製造事業者等をはじめとする関係者の努力により処理方法等が更に進展することが考えられるので、システムの検討に当たっては、行政の関与は最小限とし、関連技術の開発促進等を含め幅広い視点からできる限り民間の努力を助長するよう配慮することが望ましい。

Ⅱ.自動車リサイクルに関する制度化に向けた考え方
1.関係者の役割分担の在り方
(1)自動車製造事業者及び自動車輸入事業者の役割
 自動車製造事業者等は、設計製造段階からリサイクルしやすい自動車の製造等に自ら積極的に取り組むとともに、中古自動車の引取りを行う者、再資源化・解体処理を行う者など関連事業者が適正なリサイクル等を行うよう管理票等によりフォローし、また適正な処理費用を支払うことなどにより、自動車リサイクルの推進において中心的な役割を担うこととすべきである。
 自動車製造事業者等の経営破綻等があった場合においても自動車リサイクルに支障を生ずることのないよう、業界全体の連帯責任による対応の仕組みを用意しておく必要がある。
(2)引取者の役割及び(3)再資源化事業者の役割
 引取事業者等の登録については、煩雑な仕組みを設けることによってかえってリサイクル処理等が円滑に行われにくくなる恐れがあるので、できる限り簡素なシステムとするよう慎重に検討する必要がある。
また、環境汚染等の問題を生じさせないようにするため、廃棄物処理制度について必要な見直しを行うことが適当である。
 道路運送車両法に基づく自動車登録制度について、自動車リサイクルシステムの円滑な運用を確保するため、一時抹消された車両の把握、所有権が移転された時の所有者の把握、新車登録・継続検査時のリサイクル費用納付済の確認等について見直しを行うことが必要である。
(5)行政の役割
 不法投棄自動車については、拡大生産者責任の原則のもと、自動車製造事業者等の責任において処理することを前提に、所有権者の確認手続等の法的な面も含め必要な制度を整備すべきである。
 なお、これに伴い、「市町村が当該不法投棄車を自動車リサイクルルートに乗せる役割を引き続き担うものと整理される」との記述は、当然に削除すべきものである。

2.費用徴収方法
(1)費用徴収の時期と方法
 リサイクル費用は自動車のユーザーが負担しなければならないが、不法投棄を防止するうえから、新車購入時の負担とすることが適当である。この場合、公平を期するため制度施行時の既販車については、最初の継続検査時までに納入する仕組みとすることが適当である。
  「自車充当方式」については、自動車の購入時点からリサイクル処理までの間には相当の期間があり、その間にリサイクルの内容や方法等が変わり、必要な費用の額が変化することが十分考えられ、さらに膨大な数の自動車について費用負担や処理状況等を管理することは事実上困難と考えられること等から適当ではない。自動車所有者が全体として共同負担するとの考え方のもとに一定のルールを定めることが適当である。
(2)自動車ユーザーに負担を求める費用
 リサイクル費用は、自動車所有者の理解を得やすくするとともに、資金の管理状況を明らかにするため、一般の自動車代金とは区分する方が適当である。
 また前述のとおり、自動車製造事業者等の経営破綻等があった場合にもリサイクル処理等に支障を生じないような対応の仕組みを設けておく必要がある。
(3)事業者間の費用の授受の仕組み
 ユーザーが負担した資金の管理及びリサイクル費用の支払いは、管理費用の軽減、リサイクル等の効率化の促進等を考慮し、自動車製造事業者等の責任において行うことが適当である。この場合、ユーザーが負担した資金の管理状況については、適正な負担と支払いを確保するため、できる限りオープンにすることが望ましい。

3.制度化の対象とすべき自動車
 二輪自動車については、不法投棄も少なくない上に、エンジンオイルやバッテリー液の流出の問題もあることから、自動車リサイクルシステムの対象とすべきである。また、四輪商用車も、当然制度の対象とすべきである。