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「介護保険法の円滑な実施のための特別対策」について(平成11年11月12日)

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「介護保険法の円滑な実施のための特別対策」について
平成11年11月12日
全 国 市 長 会

 本会は、政府が決定した介護保険の「特別対策」に関連して、昨11月11日に「介護保険に関する決議」及び「介護保険制度に関する要望」を決定したところであるが、国は、次の事項について速やかに具体的内容を明らかにされたい。

1 高齢者保険料の特別措置について
(1)「徴収しないことができる」「軽減できる」とあるが、本会としては統一的な方針を国として明示することを求めている。これは、1/2軽減分を含め、全国一律に実施することを想定しているのか。それとも、市町村の判断にまかせるよう考えているのか。
(2)1/2軽減を含め、減収分の補填は、実額か。 実績に基づく精算が行われるのか。
(3)不徴収や軽減は市町村の条例で定めることになると思われるが、このような条例を定めることが法律に抵触しないと言える根拠を明示されたい。
(4)市町村独自の上乗せ事業や特別給付の経費は、保険料の算定基礎に含めることとされているが、国の補填の対象になるのか、ならないとすれば、国としてその取り扱いはどうすればよいと考えているか。 不徴収を前提とするのであれば、国としてこれに代わる制度上の財源措置についてどう考えているか。
(5)各市町村に設置する「基金」について
 ・「基金」の趣旨・目的は何か。 財務会計上の処理はどうするのか。
 ・7850億円の配分方法はどうなるのか。 そのうち準備経費に充てられる額はいくらか。
 ・準備経費の充当事業は何か。
 ・基金からの支弁割合についてルールを設けるのか。
 ・基金から生じた運用益の使途は何か。

2 医療保険者対策について
(1)1,260億円の具体的な積算根拠は何か。
(2)交付金の受け皿はどうなるのか。
(3)「個々の保険者の財政状況等をくみとりつつ、国が医療保険者に財政支援を行う」とのことで あるが、各保険者への配分の基準、使途はどうなるのか。
(4)仮に収納率低下による財政影響に対する支援を行う場合には、配分の基準はどうなるのか。 その場合、支援を受けた各保険者は、どのようにして「新たな負担増をおさえる」ことができるのか。
(5)実際の執行にあたっては、何年度わたって交付しようとしているのか。

3 低所得者対策について
(1)国としては、市町村が軽減措置を実施する場合、どのような形式(条例など)の根拠を定めることを想定しているか。併せてその法的根拠についてはどう考えているか。
(2)地方負担はあるのか。 制度導入に当たって、国が政策的に決定した特別措置であり、全額国庫負担とする考えはないか。
(3)所要経費はいくらか。 その積算根拠は何か。
(4)精算等により実額が補填されるのか。
(5)段階的に引き上げるプロセスはどうなるのか。
(6)「低所得世帯」の定義は何か。 「法施行時」とはいつか。
(7)該当する「低所得者」と該当しない者との境界で自己負担に大きな差が出るのではないか。
(8)法施行時にホームヘルプサービスを利用していた者に対象を限定する理由は何か。 法施行後新たに介護サービスを受けることになった低所得者との均衡をどう説明するのか。 この特例を受けるために法施行直前にホームヘルプサービスを希望するケースが生じるのではないか。
(9)「障害者施策によるホームヘルプサービスを利用していた者などについては、平成16年度までの間、3%」としている趣旨は何か。
(10)社会福祉法人に限って利用者負担の減免に対する支援措置を決めた理由とその具体的な措置の内容は何か。また、どのように行うのか。
(11)生活福祉資金貸付制度に追加する貸付事由は何か。

4 家族介護支援について
(1)地方負担はあるのか。
(2)所要経費は。 その積算根拠は。
(3)「介護保険法とは別に」家族介護支援特別事業を実施するとのことだが、現実には、介護サービス受給を回避する誘因にもなり得ることがあり、また内容としては介護保険法に規定する市町村の特別給付事業に相当するなど、介護保険法と深く関わることになるが、これについてどう整理するか。
(4)「介護保険法とは別」とされているが、慰労金その他の給付を受けるためには要介護認定を受けていることが前提条件であるのか。
(5)「家族」の範囲はどうなるのか。
(6)年度途中に新たに要介護度4、5に該当した者の扱いはどうなるのか。
(7)過去において1年間介護サービスを利用しなかった者など慰労金の支給対象を限定した考え方は何か。また、要介護度4,5の重度な者の場合は、施設入所のケースが多いと思われるが、どの程度の件数を見込んでいるのか。
(8)家族介護慰労金の額を「年額10万円まで」としているが、具体的な支給額について、国としてはどう考えているのか。
(9)慰労金を支給するかしないかなど市町村によってメニュー事業の実施状況が異なるであろうが、個々の市町村に対する国の措置額は具体的にどうなるのか。
(10)慰労金以外のメニュー事業については、平成12年度から実施するのか。
(11)メニュー事業の内容及び支給要件はどのようなものか。
(12)家族介護用品の支給等(年額10万円まで)は慰労金と併給できるのか。
(13)介護する家族がヘルパー資格を得るための助成を行う目的は何か。
(14)家族がヘルパーの資格を取得した場合に対価を受けることができる要件について特別なものを想定しているか。

5 介護予防・生活支援対策について
(1)地方負担はあるのか。
(2)所要経費はいくらか。 その積算根拠は何か。 個別市町村への具体的な措置額はどうなるのか。
(3)事業内容はどのようなものか。

6 介護基盤整備対策
(1)新しいゴールドプランは、各市町村のニーズをどのように反映するのか。 民間事業を含めた整備水準について、国としての考え方があるか。
(2)新しいゴールドプランの策定時期はいつか。

7 その他(共通事項)
(1)地方負担を考えているとしたら、地方財政対策はどのように措置されるのか。地方交付税不交付団体への措置はどのようになされるのか。
(2)コンピュータ関連経費、人件費、広報費等「特別対策」の実施に伴い、各市町村における事務的経費が必要になるが、これに対する財源措置はどうなるのか。
(3)関連施策を含む市町村の対応方針の決定(予算・条例等)や住民への説明のためには、できる限り速やかに上記事項など国の措置を具体化させる必要があるが、今後のスケジュールはどうなるのか。
(4)広域により事務処理を行うこととしている場合の措置の方法はどうなるのか。