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総合的な子育て支援策に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H23.1.26)

 

 

総合的な子育て支援策に関する決議

 我々都市自治体は、少子化施策が国と地方の信頼・協力関係の下で着実に推進されるべき喫緊の最重要課題の一つと認識している。
 このため、都市自治体は地域の実情に即した様々な子育て支援策を実施し、懸命の努力を傾注しているところである。
 このような中、子ども手当に関する五大臣合意を受け、平成23年度の子ども手当に関する政府案が決定されたが、総合的な子育てビジョンが示されないまま、平成22年度と同様に地方負担が再び継続されることとなったことは、誠に遺憾である。
 一方、我々の主張を受け入れて、保育料・給食費の未納問題に対応するための法律上の措置を講じることとしたほか、五大臣合意において、平成24年度以降の子ども手当の制度設計に当たっては、厚生労働省をはじめ関係府省と地方公共団体の代表者による会議の場を設け、子ども手当及びそれに関連する現物サービスに係る国と地方の役割分担及び経費負担の在り方等について幅広く検討することが提案されている。
 もとより都市自治体は、市民と直接向き合う基礎自治体として厳しい財政状況の下、子育て世帯の切実な要望を踏まえ、真に必要とされる保育サービス等の提供に努めてきたと自負している。
 ついては、平成24年度以降の子ども手当等の制度設計に当たっては、五大臣合意で提案された上記会議の場を早急に立ち上げるとともに、地域主権の理念に基づき、子ども手当を含む子育て支援策について、地方の理解が得られるかたちでの制度改正になるよう、下記事項を含め、国においては、万全の措置を講じられるよう強く要請する。

 

 

1.関係府省と地方公共団体の代表者による会議の場を早急に立ち上げるとともに、必要に応じ分科会等の活用も図り、真に実効ある協議・検討を開始すること。

2.全国一律の現金給付による子ども手当については、システム整備等の事務費や人件費を含め、全額国庫負担とするとともに、都市自治体の事務負担を極力軽減すること。

3.全国一律の現金給付による子ども手当と保育サービスをはじめとする子育て関係経費とのバランスにも十分配慮するとともに、保育サービスなどの子育て支援策については、国において十分な財源を確保すること。

4.税制改正による地方の増収分については、これが一般財源であることに鑑み、その使途を国が事実上強要することはあってはならず、都市自治体がこれまで実施してきた各種子育て支援策の更なる充実・発展等に自主的に充てることなどを含め、地方の裁量に委ねるべきであること。

5.現在、政府において検討されている「子ども・子育て新システム」については、各種子育て支援サービスの内容はもとより、供給主体や役割分担についての明確な整理もなされておらず、また、一方的に市町村における特別会計の設置の検討がなされているなどの問題点が指摘されていることから、その法制化に当たっては、税と社会保障の抜本改革における財源確保方策や五大臣合意に基づく国と地方の会議の場における協議との整合性に十分配慮した上で、地域主権の理念に基づき、地方の意見を十分踏まえて、更なる協議・検討を行うこと。

 

 以上決議する。

 平成23年1月26日

全 国 市 長 会