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真の地域主権改革の実現を求める決議

理事・評議員合同会議決定(H22.11.18)

 

 

真の地域主権改革の実現を求める決議

 地域のことは地域に住む住民が決め、活気に満ちた地域社会をつくるためには、基礎自治体を重視した地域主権改革を断行するとともに、国と地方の関係を対等の立場で対話していける関係へと根本的な転換を図っていかなければならない。
 そのためには、地方の声、現場の声を十分踏まえたうえで、地方の実態に即した各種政策を推進することが必要不可欠である。
 政府においては、本年6月に、地域主権戦略大綱を閣議決定し、基礎自治体への権限移譲、義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大の具体的措置とともに、ひも付き補助金の一括交付金化、国の出先機関の抜本的改革等地域主権改革の主要課題についての方針が示された。
 しかしながら、各主要課題に対する各府省の姿勢は極めて消極的で、その内容は誠に不十分であると言わざるを得ず、政府は、政治主導により、地域主権改革の理念に沿った対応が強く望まれる。
 このため、地域主権戦略大綱の各事項はもとより、住民生活や地方に関わる事項のの制度設計や政策の具体化に際しては、国と地方の協議の場を実効あるものとして運営するとともに、住民に身近な都市自治体の意見を聞き、対等の立場で協議するための機会が十分確保されることが必要である。
 ついては、政府においては、総理の強いリーダーシップのもと、真の地域主権改革を実現するため、下記事項について真摯に取り組まれるよう強く要請する。

 

 

1.地域主権関連三法案の早期成立

 地域主権改革、地方財政対策、子ども手当、後期高齢者医療制度など、早急に国と地方で協議しなければならない課題は山積していることから、「国と地方の協議の場」の法制化など、地域主権改革の基盤となる三法案を早期に成立させること。
 なお、喫緊の課題等については、「国と地方の協議の場」の法制化を待つことなく、「事実上の国と地方の協議の場」において十分事前に協議をすること。
 また、具体的な事項の協議に当たっては、地方からの意見を制度設計等に的確に反映することができるよう、国はあらかじめ十分な時間的余裕を持って提案を行うこと。

2.都市自治体への権限移譲の推進

 国と地方の役割分担を明確にし、「基礎自治体優先の原則」、「補完性・近接性の原理」に基づき、総合行政主体としての都市自治体に対し、地方分権改革推進委員会の勧告を上回る制度単位での包括的な権限を移譲し、都市自治体が総合的、一体的に事務事業を実施できるようにするとともに、移譲された事務を円滑に実施するため必要となる財源の確保と専門的な人材育成等の仕組みを構築すること。

3.義務付け・枠付けの廃止・縮小と条例制定権の拡大

 都市自治体の自主性の強化及び条例制定権の拡大を図る見地から、法令による義務付け・枠付けについては、地方分権改革推進委員会の勧告に沿って廃止を原則とした見直しを行うこと。
 また、都市自治体が条例化等に向けて十分な参酌・検討等が行えるよう、十分な時間的余裕の確保や情報提供など適切な措置を講じること。

4.国・都道府県・市町村の役割分担を踏まえた行政の簡素・効率化

 国と地方の二重行政を解消するため、都市自治体の意見を反映した国の出先機関の廃止縮小を早急に実施すること。

5.税財政改革の推進

 地方が担う事務と責任に見合う税財源配分を基本として、当面、税源移譲による国・地方の税源配分「5:5」の実現を図ることにより、地方の財政自主権を拡大するとともに、税源の偏在が少なく税収が安定している地方消費税を拡充すること。
 また、地方交付税の法定率の引上げ等により恒常的な地方交付税の財源不足の解消を図るとともに、「地方交付税」を特会直入とする「地方共有税」を創設すること。

6.地域主権改革の理念に沿った事業仕分けのあり方

 行政刷新会議においては、地方自治体に関連する制度や事業について仕分け作業が行われているが、これら地方行財政制度上重要な課題や地方移管、事業廃止・見直しなどとされている事業については、国・都道府県・市町村の役割分担、地方の行財政運営及び社会資本整備等に大きな影響を及ぼすことから、当該制度や事業のあり方について、改めて国と地方の協議の場等において対等の立場で協議することを通じて、税財源措置等を含め、地域主権改革の理念に沿った政府としての結論を得ること。

 

 以上決議する。

 平成22年11月18日

全 国 市 長 会