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防災・災害対策の充実強化と安全・安心なまちづくりに関する重点要望

全国市長会の主張  −要望− H20.11


防災・災害対策の充実強化と安全・安心なまちづくりに関する重点要望

 

 都市自治体においては、大規模災害に即応できる防災対策の一層の充実が求められている。
 よって、国は、次の事項について積極的かつ適切な措置を講じられたい。

1.防災体制の充実強化と災害対策の推進について

(1)災害時における被害の早期復旧を図るため、特別交付税の算定や地方債の元利償還金における交付税算入率の引き上げ等、災害復旧に係る地方負担に対する所要の財政措置を講ずること。
 また、災害の発生メカニズムの解明等、未然防止も含めた自然災害等に対する抜本的な対策を講じること。
(2)局地的集中豪雨や突風、竜巻、落雷等、地球温暖化の影響と考えられる異常気象の多発により、大規模な都市型水害等が頻発していることから、ハード面での治水対策に加え、情報伝達システムの整備をはじめとする総合的な水防対策を推進すること。
(3)災害時に迅速、正確な情報提供を行い、地域住民が安全に避難できるようにするため、防災行政無線のデジタル化や衛星携帯電話の整備等、情報伝達システムの整備に対する財政措置を拡充すること。
(4)? 携帯電話事業者と連携し、災害時においても携帯電話の通話及び通信を安定的に確保するためのシステム構築を行うこと。
     また、携帯電話を活用した全国瞬時警報システム(J−ALERT)からの緊急情報伝達体制を構築すること。
   ? 緊急地震速報を市民が有効に利用できるよう、「緊急警報放送」の活用による情報伝達を実施すること。
(5)災害危険個所を住民に周知するため、ハザードマップの作成及び更新費用にかかる財政措置を拡充すること。
(6)局地激甚災害の指定区域での公民館や体育施設、文化施設等の公立社会教育施設災害復旧事業に対し、激甚災害の場合と同様の財政措置を講じること。
 また、大規模災害時における水道施設及び医療機関の復旧事業を激甚災害法の対象とすること。
(7)被災者生活再建支援制度や住宅応急修理制度について、被害の程度に応じた段階的な支援を行うため、被害認定基準運用指針を見直すとともに、支援等にかかる適用要件の緩和や支給限度額の引き上げを行うなど、支援制度を拡充すること。
(8)自主防災組織の育成等に対する財政措置の充実を図ること。
(9)地方公共団体が防災上取り壊しの必要性を認めた倒壊の危険がある住宅の土地について、住宅取り壊し後の土地の固定資産税額が急激に上がらないような減額措置を講じること。
(10)災害時に道路や鉄道の寸断により交通が途絶した場合、船舶が人や物資輸送の重要な輸送手段となることから、防災船着き場の広域的な活用に向けた取組の強化及び早急かつ積極的な整備を推進すること。

2.地震及び火山災害対策の充実強化について

(1)日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域及び東南海・南海地震防災対策推進地域に指定された地域について、地震防災対策強化地域に指定するとともに、具体的かつ充実した対策を講じること。
(2)富士山火山防災対策として、関係機関における調査・研究の推進及び支援を行うとともに、富士山ハザードマップの作成・公表を踏まえ、中央防災会議決定の「富士山火山広域防災対策基本方針」等による広域的かつ重点的な火山防災対策を推進すること。
 また、東海地震と同様に、富士山噴火においても火山情報に応じた高速道路活用の防災体制を整備すること。
(3)地震災害に対する総合的な基本計画の策定や防災対策の強化を図り、GPS波浪計の精度向上等を含めた地震観測体制の整備充実を図ること。
 また、地震に伴う大規模な地滑り、土砂崩れ等の原因調査や、活断層の活動特性を解明するための調査研究を推進すること。
(4)庁舎、公民館、保育所等、災害時に防災拠点となる公共・公用施設等の耐震診断や耐震改修に対して、財政措置を拡充すること。
(5)民間施設、住宅家屋等の耐震診断や耐震改修を促進するため、財政措置を拡充すること。
 また、住宅の耐震改修に係る所得税の税額控除を延長するなど、税制上の優遇措置を拡充すること。
(6)大規模な地震等が発生した場合に孤立する恐れがある中山間地域について、被害状況の受発信を行える衛星携帯電話の配備や避難所の耐震補強等の防災対策を講じること。
(7)合併した市町村については、災害に対する国の財政援助に関して、合併により不利益を受ける結果となるような場合は、その合併が行われなかったものとして災害復旧事業費の国庫負担等の特例措置を講じることが定められているが、その期間を現行の5年以内から10年以内へと延長すること。
(8)被災した観光地が地震による風評被害を受けないよう、正確な情報の周知、広報等について適切な対策を講じること。

3.消防・救急体制の充実強化について

(1)消防・救急無線のデジタル化のための財政措置を拡充すること。
(2)消防防災施設等の整備並びに緊急消防援助隊の設備の整備を促進するため、財政措置を拡充すること。
(3)都市自治体に必要な消防団員を確保するため、所要の財政措置を講じること。