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医療制度改革及び医師確保対策等に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H20.11.13)

 

医療制度改革及び医師確保対策等に関する決議

 高齢化の進展等に伴い、各医療保険制度は厳しい財政状況に置かれている。とりわけ、国民健康保険は、加入者における無職者・高齢者の割合が著しく増加し、所得水準が被用者保険に比べて低いなど、保険者の責めによらない構造的な問題を抱え、破綻状態に陥っている。
 これに対し国は、平成18年6月に医療制度改革関連法を成立させ、各種改革を順次施行してきた。
 このうち、後期高齢者医療制度については、国による再三にわたる制度変更などから、国民への周知・説明不足、制度への誤解等が生じ、現場に大きな混乱がもたらされた。
 このような中、今般、厚生労働大臣直属の「高齢者医療制度に関する検討会」が設置され、改善策について検討が重ねられているが、今後、更なる改善策を講じる場合には、国は、国民の理解を得られるよう十分な準備期間を設ける必要がある。
 一方、医療と介護については、病院の閉鎖等による地域医療の崩壊や療養病床の再編成に伴う様々な問題が生じており、特に医師確保や自治体病院等への支援について早急な対応が必要となっている。
 よって、国は、下記事項について万全の措置を講じられるよう強く要請する。

 

1.医療保険制度について

 (1)国の責任において、給付の平等、負担の公平を図り、安定的で持続可能な制度を構築するため、国を保険者とし、すべての国民を対象とする医療保険制度への一本化を図ること。

 (2)国保及び後期高齢者医療制度を見直す場合は、国民的な議論を行うとともに、都市自治体の意見や実情を十分に踏まえ、検討を行うこと。

 (3)後期高齢者医療制度については、当面これ以上国民の混乱を招くことのないよう、国においても一層の周知徹底を図るなど着実な制度の定着に努めるとともに、電算システム経費を含め万全な財政措置を講じること。

 

2.医師等の確保対策及び地域医療の充実について

 (1)産科医・小児科医・麻酔科医等をはじめとする深刻な医師不足等の解消や地域ごと・診療科ごとの医師偏在の是正を図るため、「安心と希望の医療確保ビジョン」等を確実なものとするとともに、医師等の絶対数を確保するべく即効性のある施策及び十分な財政措置を早急に講じること。

 (2)自治体病院をはじめ公的病院については、地域の実情に応じた医療を確保することができるよう、十分な財政措置を講じること。
 また、自治体病院をめぐる経営環境が激変していることにかんがみ、制度改革や経営改善に係る具体的な情報の提供など病院経営の改革に向けた支援策を積極的に講じること。

 

3.療養病床の再編成について

 療養病床の再編成については、医療の必要性が高い患者へ適切に医療が提供されるとともに、医療機関から介護療養型老人保健施設等への転換が円滑に図られるよう、地域の実態に配慮しつつ、万全の措置を講じること。