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医療制度改革及び医師確保対策に関する決議

第78回全国市長会議 決議



 

医療制度改革及び医師確保対策に関する決議

 

 本会は、給付と負担の公平化を図り、安定的で持続可能な医療保険制度を構築するため、国を保険者とし、すべての国民を対象とする医療保険制度の一本化を図ることを要請してきた。
 これに対し国は、平成15年3月に「医療保険制度体系等に関する基本方針」を閣議決定し、高齢者を独立させた新しい高齢者医療制度創設の方向を示すとともに、諸施策の改革に向けた検討を重ねた末、平成18年6月に医療制度改革関連法を成立させた。
 特に、本年4月から実施している後期高齢者医療制度については、政省令の遅れや施行直前の国による制度変更などから、国民への周知・説明不足、制度への誤解等が生じ、現場では厳しい対応を迫られている。
 また、自治体病院をはじめ全国の病院等における医師不足や診療科の偏在等により、医療に対する住民の不安や医療サービスの低下が極めて深刻な社会問題となっている。
 よって、国は、下記事項について万全の措置を講じられるよう強く要請する。

1.後期高齢者医療制度等の円滑な運営

(1)国は、制度本来の趣旨である費用負担の明確化、運営主体の一元化、高齢者にふさわしい医療の提供等について、多くの国民の理解を得られるよう、今まで以上に周知徹底を図り、迅速かつ確実な制度の定着に努めること。

(2)低所得者に対する更なる軽減については、保険料負担の水準が適正か否かを検証した上で実施すべきである。
 また、新たな対策により生ずる保険料及び公費等の負担については、地方へ負担転嫁することなく国の責任において全額補てんすること。

(3)今後、国として新たな見直しを行う場合には、地方の意見や実情を十分に踏まえ国民の理解と信頼が得られるよう、必要な準備期間を設けて対応するとともに、新たな対策に伴う経費や電算システム経費などについては、地方へ負担転嫁することなく国の責任において万全の措置を講じること。

(4)後期高齢者のうち、被用者保険の被保険者及び被扶養者が洩れなく後期高齢者医療制度へ円滑に移行できるよう、広域連合と被用者保険者との連携強化について必要な措置を講じること。

2.医師等の確保対策

  産科・小児科医をはじめとする深刻な医師不足等の解消や地域ごと・診療科ごとの医師偏在の是正を図るため、昨年5月に政府・与党が取りまとめた「緊急医師確保対策について」などを確実なものとするなど、医師等の絶対数を確保するための実効ある施策及び財政措置の充実を図ること。

3.療養病床の再編

  療養病床の再編については、医療の必要性が高い患者へ適切に医療が提供されるとともに、医療機関から介護療養型老人保健施設等への転換が円滑に図られるよう、地域の実態に配慮しつつ、万全の措置を講じること。

  以上決議する。