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地方分権改革の推進に関する決議

第77回全国市長会議 決議



 

地方分権改革の推進に関する決議

 

 本年4月に地方分権改革推進法が施行され、地方分権改革推進委員会が発足し、第二期地方分権改革がスタートした。
 地方分権改革の目標は、中央集権型のシステムの転換を図ることにより、高齢者や障害者の福祉、子育てや教育、まちづくりなど、人々の暮らしを支える公共サービスに関する地方の役割をより拡大し、住民が安全・安心に暮らせる豊かな社会を実現することにある。同時に、文化、産業などの面で地域の個性を活かした多様性と創造性にあふれた社会を実現することでもある。
 第二期改革の最重点課題は、税源移譲の推進、地方交付税制度の再構築、補助金の廃止等の「住民自治を可能とする地方税財政制度の構築」、自治体の仕事に対する国の関与や義務付け等の廃止・縮小等の「地方の自立に繋がる行政面での分権改革」であるが、いずれも根強い抵抗が予想される困難な課題である。
 しかし、我々市長一同は、地方自治に新たな歴史を開く地方分権改革に取り組む自負と気概を共有している。そして、改革の成果が将来の我が国に豊かな自治と新しい国のかたちを実現することを確信している。
 ここに、我々は、地方分権改革推進委員会をはじめとする政府に対して、地方の自由度を拡大するため、以下の事項を踏まえて、真の地方分権改革の実現に真摯に取り組まれるよう強く求める。

1 国から地方への税源移譲


(1)まずは国税と地方税の税源配分を5対5とする。
(2)地方消費税と個人住民税の充実強化によって偏在性の少ない地方税体系とする。

2 国と地方の役割分担の明確化と一体的な権限・事務・財源の移譲
 

 「地方にできることは地方が担う」という原則の下、国と地方の役割分担を明確化し、一体的に権限・事務・財源を移譲する。

3 「地方共有税」の導入


(1)自治体の自立(律)と連帯を進める「地方共有税」を早期に実現する。地方共有税(地方交付税)の原資は地域偏在性の比較的大きな税目構成とする。
(2)地方財政計画に、都市自治体の財政需要の実態はもとより、都市の役割・行政サービスが増大していることを的確に反映する。
(3)税源移譲に伴い財政力格差が拡大する財政力の弱い自治体に対しては、地方共有税(地方交付税)の財源調整、財源保障機能を強化する。

4 国と地方の二重行政の解消等による行政の簡素化

 国による関与、義務付け・枠付けを廃止・縮小し、国庫補助負担金を削減するとともに、国の地方支分部局を整理し、国と地方の二重行政を解消する。

5 「(仮)地方行財政会議」の法律による設置
 

 地方に関わる事項について、政府と地方の代表者等が協議し、地方の意見を政府の政策立案と執行に反映する。政府は、協議が整った事項について、その結果を尊重する。

6 第二期地方分権改革の進め方


(1)地方分権改革推進委員会は、地方六団体と十分意見交換を行い、調査審議を進める。
(2)政府は、「国と地方の協議の場」を早期に再開し、地方分権改革推進計画を作成するにあたっては、地方の代表者と事前に協議する。

7 国・地方を通じた行財政改革の推進


  都市自治体は、市町村合併等による行政組織の再編統合や国に先駆けて大幅な定数削減や給与カットなど、懸命に行財政改革に取り組み、国を上回るペースで歳出削減努力を行ってきた。今後も、さらなる行財政改革を進め、効率的な行財政運営に努め、住民サービスの向上を図りながら、財政再建に取り組む決意である。
  国は、地方支分部局の廃止等、遅れている自身の行財政改革を断行すべきである。国と地方の二重行政の排除、地方に対する国の関与の廃止・縮小等、地方分権改革の推進こそが国・地方を通じた最大の行財政改革につながる。

 以上決議する。

 平成19年6月6日

第77回全国市長会