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地方分権の実現に向けた三位一体改革の推進に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H17.11.10)



地方分権の実現に向けた三位一体改革の推進に関する決議


 三位一体改革は正念場を迎えている。
 三位一体改革は、小泉内閣総理大臣が進める「国から地方」への構造改革の最大の柱であり、後退は許されず、真の地方自治の確立に向けた「地方分権改革」である。その基軸である国から地方への税源移譲は、戦後、数次にわたり実施されてきた分権改革のなかでも、画期的な改革である。
 我々は、昨年、今年と二度にわたり税源移譲に結びつく国庫補助負担金等の改革案を提示し、政府の要請に真摯に対応してきた。
 しかし、昨年の政府・与党合意では多くの課題が先送りされ、地方の改革案からみて極めて不十分であった。さらに、平成18年度の改革においては、小泉総理の「地方案を尊重する」との方針にもかかわらず、未だ地方の改革案に沿った誠意ある検討が全く行われていない。
 平成18年度は、三位一体改革の第一期改革の最終年であると同時に、第二期改革への重要な足がかりとなる年でもある。政府は、地方の改革案を尊重し、総理の強いリーダーシップのもと、一体となって下記事項を実現するよう、強く要請する。



1.3兆円規模の税源移譲
 平成18年度の税制改正において、個人住民税(所得割)の10%比例税率化により、おおむね3兆円規模の税源移譲を確実に実施すること。その際には、基礎的行政サービスを担う市町村に十分配慮すること。
 また、税源移譲の内容、実施時期等を早急に明らかにするとともに、所得課税全体で実質的な増税とならないよう、納税者負担の調整措置を適切に行うこと。

2.税源移譲に結びつく補助金改革の推進
 税源移譲に結びつく補助金改革は、地方の意見を尊重し、地方の改革案に沿って実現すること。特に、普遍的、経常的な施設整備国庫補助負担金は優先して廃止し、税源移譲すること。
 その際、特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、十分配慮すること。
 また、交付金化等は、国に権限と財源が残り、補助金と何ら変わらないことから、認められない。さらに、本来、国の責務として行うべき生活保護費などの負担転嫁は絶対に受け入れられない。
 なお、義務教育国庫負担金等の税源移譲については、最終的には「国と地方の協議の場」において協議・決定すること。

3.地方交付税総額の確保
 平成18年度の地方交付税については、「基本方針2005」を踏まえ、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額を確保するとともに、地方交付税の財源調整・財源保障の両機能を強化すること。
 また、地方財源不足に対する補てんは、地方交付税の法定率分の引上げで対応するとともに、税源移譲の実施による地方交付税原資の減少分に対しては、地方交付税率の引上げ等の措置を講じること。

4.地方財政計画への決算の反映及び中期地方財政ビジョンの策定
 地方財政計画と決算の乖離については、地方単独事業の大幅な削減といった一面的な見直しではなく、地方における施策の取組みや決算状況の実態を踏まえ、投資から経常への需要構造の変化を的確に地方財政計画に反映させること。
 また、地方団体が計画的な行財政運営を行うことができるよう、地方財政の中期的なビジョンを策定するとともに、将来においても地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額を確保すること。

5.「第2期改革」の 実施と「国と地方の協議の場」の制度化
 地方分権を一層推進するため、国と地方の最終支出と税源配分の乖離を縮小するため、消費税を含めた基幹税により8兆円の税源移譲を積極的に進めること。そのため、19年度以降も「第2期改革」として更なる改革を行うこと。
 また、「国と地方の協議の場」を、今後、定期的に開催し、これを制度化すること。

以上決議する。

  平成17年11月10日

全 国 市 長 会