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国民健康保険制度の抜本改革に関する決議

理事・評議員合同会議決定(H17.11.10)



国民健康保険制度の抜本改革に関する決議

 国民健康保険制度は、国民皆保険体制の最後の砦として、地域住民の健康の保持増進に大きく貢献してきた。しかし、同時に、被用者保険に属さない高齢者や無職者が集中するという構造的な問題を抱え、いまや、国保加入者のうち、無職者の占める割合は5割を超えるとともに、高齢者比率の上昇や医療の高度化による医療費の増嵩等が相俟って、国保財政の赤字は増大する一方である。
 市町村では、総額で年間1兆円を超す一般会計から国保特別会計への繰入れを行っており、国保制度は既に破綻していると言っても過言ではない。今般の医療制度改革において、このような構造的問題の解決がなされなければ、国保制度を維持していくことは不可能であり、国民皆保険体制の崩壊は必至である。 
 また、「医療制度構造改革試案」においては、後期高齢者医療制度の運営主体を市町村とするとされているが、国保と介護保険の2つの保険者を担い、極めて厳しい財政状況に追い込まれている市町村に対して、さらに新たな制度の保険者を担わせようとすることは到底容認できない。
 よって、国は、医療制度改革に係る政府案の検討に当たり、下記事項について万全の措置を講じられたい。



1.安定的で持続可能な医療保険制度を構築するため、「国を保険者とし、すべての国民を対象とした医療保険制度への一本化」の道筋を明確に示すこと。

2.後期高齢者医療制度については、可能な限り大きな規模による安定的制度運営を確保するため、国等を保険者とし、全国一本の制度として構築すること。市町村が保険者となることは、断固反対である。

3.高齢者医療制度における保険者からの支援金・拠出金については、国保と被用者保険との間で加入者の年齢構成及び所得に大きな格差があることにかんがみ、負担の公平を図るため、加入者数のみによるのではなく、所得格差を十分調整する制度とすること。

4.国保の財政基盤を強化するため、高額医療費共同事業はもとより、保険基盤安定制度、財政安定化支援事業を拡充・強化するとともに、国保の財政基盤を確立するべく抜本的な対策を緊急に講じること。

以上決議する。

 平成17年11月10日

全 国 市 長 会