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三位一体改革の推進に関する要望

全国市長会の主張  -要望- H17.11


三位一体改革の推進に関する要望


 昨年11月26日の政府・与党合意では、国庫補助負担金改革が2兆4千億円に止まっているなど、多くの課題が先送りされた。我々は3兆円の税源移譲を確実なものとし、さらなる地方分権を進めるため、「地方の改革案(2)」を取りまとめ、本年7月に改めて政府に提出した。
 我々都市自治体は、厳しい財政状況の下、徹底した行財政改革を積極的に進めており、また、今後もより一層取り組んで参る決意である。
 よって、国は、我々が二度にわたり提出した地方の改革案を真摯に受け止め、真の地方分権推進の実現のため、次の事項を確実に講じられたい。

1.平成18年度の税制改正において、個人住民税(所得割)の10%比例税率化により、おおむね3兆円規模の税源移譲を確実に実施すること。その際には、基礎的行政サービスを担う市町村に十分配慮すること。
 また、税源移譲の内容、実施時期等を早急に明らかにするとともに、所得課税全体で実質的な増税とならないよう、納税者負担の調整措置を適切に行うこと。

2.税源移譲に結びつく補助金改革は、地方の意見を尊重し、地方の改革案に沿って実現すること。特に、社会福祉施設など住民生活に直結する基礎的サービスを提供する施設に係る国庫補助負担金は優先して廃止し、税源移譲すること。
 その際、特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、十分配慮すること。
 また、交付金化等は、国に権限と財源が残り、補助金と何ら変わらないことから、認められない。さらに、本来、国の責務として行うべき生活保護費などの負担転嫁は絶対に受け入れられない。
 なお、義務教育国庫負担金等の税源移譲については、最終的には「国と地方の協議の場」において協議・決定すること。

3.平成18年度の地方交付税については、「基本方針2005」を踏まえ、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額を確保するとともに、地方交付税の財源調整・財源保障の両機能を強化すること。
 また、地方財源不足に対する補てんは、地方交付税の法定率分の引上げで対応するとともに、税源移譲の実施による地方交付税原資の減少分に対しては、地方交付税率の引上げ等の措置を講じること。

4.地方財政計画と決算の乖離については、地方単独事業の大幅な削減といった一面的な見直しではなく、地方における施策の取組みや決算状況の実態を踏まえ、投資から経常への需要構造の変化を的確に地方財政計画に反映させること。
 また、地方団体が計画的な行財政運営を行うことができるよう、地方財政の中期的なビジョンを策定するとともに、将来においても地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額を確保すること。

5.地方分権を一層推進するため、国と地方の最終支出と税源配分の乖離を縮小するため、消費税を含めた基幹税により8兆円の税源移譲を積極的に進めること。そのため、19年度以降も「第2期改革」として更なる改革を行うこと。
 また、「国と地方の協議の場」を、今後、定期的に開催し、これを制度化すること。

 以上要望する。