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都市税源の充実強化等に関する要望

全国市長会の主張 -要望-H16.11



都市税源の充実強化等に関する要望


 都市の自主財源の根幹である都市税源の充実を図るため、国は、次の事項について早期実現されること。

1.国・地方間の事務事業の配分割合と税源配分との乖離をできるだけ縮小するという観点に立ち、基幹税による本格的な税源移譲を実施し、税収が安定的で、かつ、税源の偏在性が少ない地方税体系を構築することが必要である。
 そのため、当面、国税対地方税の割合1対1の実現を目指し、所得税から個人住民税への税源移譲(個人住民税の10%の比例税率化)、消費税の1.5%分相当額の地方消費税への移譲など抜本的な地方税制改革を早急に進め、都市税源の充実強化を図ること。

2. 都市の基幹税目である個人住民税の充実を図るため、これまでの国民所得や地方歳出等の推移と比較すると低い水準にとどまっている個人住民税均等割りの税率を当面3倍程度に引き上げること。
 また、所得税において定率減税を縮小・廃止する場合には、個人住民税においても同様の見直しを行うこと。

3. 固定資産税は、都市の重要な基幹税目であることを踏まえ、商業地等の現行負担水準の上限である70%を堅持し、引続きその安定的確保を図ること。
 また、税負担の公平性を確保する観点から、速やかに負担水準の均衡化を図ること。

4. 税制改正により減収等が生じる場合は、今後における都市の自主的な行財政運営に支障を来たすことのないよう、適切な税・財源措置等により補てんすること。

5. 法人所得課税については、極めて重要な都市税源であることから、その充実確保を図ること。

6. 軽自動車税等定額課税については、相当長期にわたり税率が据え置かれていることから、税負担の均衡を勘案し、税率を引き上げること。
 特に、原動機付自転車については、徴税効率が極めて低いことに鑑み、徴収効率及び課税事務の向上のための課税制度見直しを早急に行うこと。

7. 事業所税は、都市環境の整備及び改善のための目的税であり、まさに都市再生のための事業に充てる貴重な財源であることから、その充実強化を図ること。

8. 温暖化対策税制(いわゆる環境税制)の導入に当たっては、環境施策において都市自治体の果たしている役割及び財政負担を十分勘案し、税収の一部を地方の財源とする等適切な措置を講ずること。

9.ゴルフ場利用税については、ゴルフ場所在都市におけるゴルフ場関連の財政需要もあり、貴重な財源であることから、現行制度の堅持を図ること。

10.税負担の公平と適正化を図るため、租税特別措置、非課税等特別措置の整理合理化を一層推進すること。
 特に、固定資産税等の非課税措置、課税標準の特例措置については、抜本的な見直しを行うこと。

11.国有資産等所在交付金については、固定資産税の代替的性格を基本としていることから、その算定のあり方について改善を図ること。

12.公的年金等支払報告書、国税庁所管の確定申告データ、法務省所管の不動産登記データについては、提供された一覧表等を基に改めて市町村が電算入力を行うなど、多大な労力と費用を費やしていることから、個人住民税及び固定資産税の課税事務の合理化・効率化を図るため、電磁的記録媒体を利用した電子データによって行えるよう必要な措置を講じること。

13.還付加算金の利率を、市中金利の情勢に見合ったものとなるよう、見直しを行うこと。

14.特別土地保有税については、平成15年度から新規課税が停止されたところであるが、多額の徴収猶予が残っている現状を踏まえ、これらの早期処理が可能となるように、徴収猶予期間及び納税義務の免除要件等の見直しを行うこと。

15.地方道路整備の財源として、道路目的税である揮発油税の一部の地方譲与税化について検討すること。

16.航空機燃料譲与税については、空港関係市町村における航空機騒音対策事業、周辺整備事業等に要する経費が増大していることに鑑み、航空機燃料税の税率を引き上げるとともに、市町村に対する配分を充実すること。

17.政令指定都市については、国・道府県道の管理その他の事務配分の特例が設けられており、地方分権改革のより一層の推進のためにも、大都市の税制のあり方について検討し、事務配分に見合った税制上の特例措置を充実すること。
 また、中核市及び特例市についても、事務配分の特例等実態に即した税制上の特例措置を設けること。

18.政令指定都市立小・中学校等の教職員に係る給与費負担の道府県から政令指定都市への移管に当たっては、義務教育費国庫負担金の改革全体の議論と一体で進めるとともに、学級編制や教職員定数、教職員配置等包括的な権限移譲を前提として、所要全額について、道府県からの税源移譲により措置すること。

19.都市税制に対する住民の理解と信頼をより確かなものにしていくため、税負担の公平を確保するとともに、住民に分かりやすい簡素な制度とし、併せて納税者の事務負担の軽減等を図り、税務事務の効率化を図ること。
 また、引き続き、徴税の充実強化等の観点から、国・都道府県の税務行政運営上の協力体制を充実すること。

 以上要望する。