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地方分権の推進による都市自治の確立に関する要望

全国市長会の主張  -要望- H15.11



地方分権の推進による都市自治の確立に関する要望

 真の分権型社会を実現し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を形成していくことが重要な課題となっている。
 また、21世紀を迎え、我が国の内政を取り巻く環境は大きく変貌しており、「官から民へ」、「国から地方へ」の考え方の下、地方の権限と責任を大幅に拡大し、国と地方の明確な役割分担に基づいた地方分権型の新しい行政システムを構築し、自主・自立の地域社会の実現が求められている。
 よって、国は、地方分権の理念を踏まえ、次の事項について積極的かつ適切な措置を講じられたい。

1.地方分権の推進について
    (1) 自主・自立の行財政運営が可能となるよう、三位一体の改革を確実に具体化し、第一次地方分権改革の残された最大の課題となっている国から地方への税源移譲等による地方自主財源の充実強化を早急に行う等都市税財政基盤の確立を図ること。

    (2) 都市自治体が、自立性の高い行政主体として、地域の特性を生かした豊かな地域社会を形成していくことができるよう、人口規模等に応じて、都市計画や農地転用等まちづくりをはじめとする事務・事業の更なる移譲を推進するとともに、さまざまな国の関与の廃止、縮減を一層進めること。
     また、中核市については政令指定都市と同様に、特例市については中核市と同様になるよう事務・事業の移譲等を図ること。
2.市町村合併に関する支援等の充実について
    (1) 市町村合併の推進については、自主的合併が円滑に進展するよう的確な情報提供をさらに強化するとともに、社会的、経済的な地域の実態や合併後の行政運営を十分考慮し、適切な財政支援措置等を講じること。

    (2) 現行の合併特例法による財政支援等については、期限までに手続きが一定段階まで進んでいたものについて経過措置を講じること。

    (3) 合併に関する新たな法律においては、市町村の行財政運営の状況を十分踏まえた適切な措置を講じること。

    (4) 市町村合併に伴う電算処理システム等の統合及び整備等に要する経費について、明確な財政支援措置等を講じること。

    (5) 合併により政令指定都市となる場合の行政区のあり方については、行政区の権限を強め、住民自治の充実・強化を図る仕組みを検討するとともに、中核市並びに特例市の人口要件の緩和措置を講 じること。

    (6) 県境を越えた合併については、同一県内の合併と異なり、様々な 困難が生じている。よって、国においては、合併の最終判断について、あくまでも関係市町村の決定を尊重することとするなど、適切な措置を講じること。

    (7) 市町村合併に伴う退職手当組合の加入脱退時に生じる財政負担について、適切な措置を講じること。

    (8) LGWANの導入に関し、合併後におけるシステム構築が可能となるよう、導入スケジュールの調整等、制度の緩和を図ること。
3.地域自治組織(仮称)の創設について
 基礎的自治体における新しい仕組みとしての地域自治組織(仮称)については、一般的な制度として創設するとともに、多様な類型を設けつつ、それらの中から自治体の判断で条例により、必要な地域に任意に設置できる制度とすること。

4.分権型社会の進展に伴い、行政の重要なパートナーの一つとして地域における住民サービスを協働して担うこととなるNPO法人の社会貢献活動の活性化を図る観点から、NPO法人に対する税制の取扱いについては、活動実態を踏まえ適切に対応するとともに、NPO支援税制の要件緩和を図ること。

5.多様化した住民ニーズに適切に対応するためには、郵便局との連携をはじめ多様なサービスの提供方法の検討が必要となっている。
 よって、国は、郵便局における地方公共団体の特定の事務の取扱いに関し、本人確認の確実な実施、個人情報の厳重な保護、責任体制の確立など万全の措置を講じつつ、本人の委任状による代理人の請求についても取扱いの対象となるよう検討すること。

以上要望する。