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介護保険制度に関する決議

理事・評議員合同会議(H12.11.9) 決定




介護保険制度に関する決議

 介護保険制度について、本会は、制度の円滑な運営のため、介護保険財政の健全性の確保、要介護認定の円滑化及び公平性の確保、介護サービス基盤の整備、人材の確保・養成、低所得者対策の確立等、必要な条件整備を行うよう繰り返し国に対し要請してきたが、なお多くの問題を抱えている。
 また、10月から1号保険料の徴収を行っているが、滞納者の発生及びこれに伴う混乱が憂慮されている。
 こうしたなか、各都市自治体は、介護保険制度の運営に懸命の努力を重ねているが、現行の制度そのものに内在する問題を個々の自治体で解決していくことは困難であり、国においては、都市自治体の実情を踏まえて、これらの諸問題につき根本的な対策を講じるとともに、当面、下記事項について速やかに万全の措置を講じられるよう強く要請する。



1.制度施行後、保険請求、審査支払をめぐる混乱が生じており、そのため都市自治体によっては、未だ本年度の給付について、確たる見通しをたてることができない等の問題があるので、一刻も早く正常化するよう、国において早急に必要な対策を講じること。

2.低所得者対策に関しては、国は保険料について6段階方式を容認し、利用者負担については、制度施行前からのホームヘルプサービス利用者について軽減措置を講ずることとしているが、現実の制度運営においては、制度施行後の新規のホームヘルプサービス利用者について国の軽減措置が適用されないため混乱が生ずるなど、多くの問題がある。介護保険制度における低所得者対策の問題は、本会がつとに指摘していたが、殆どが一般財源で実施せざるを得ないこととなっている市町村特別給付における低所得者対策を含め、制度施行後の実態を踏まえ、国の制度として、総合的な対策を速やかに講じること。

3.介護保険制度が信頼性を得るためには、介護サービスの質の確保向上が重要である。そのため、実態に合った身体介護・家事援助等の適切な実施や介護支援専門員の資質の向上等が図られるよう、必要な措置を講じること。

4.介護保険は、国の制度であり、国が細部にわたるまでその内容を決定しているが、これまでにも突然の制度変更により都市自治体は過重な事務負担が強いられ、加えて、制度変更に伴うコンピュータシステム開発・改修等による経費も多額にのぼっている。国の制度変更に伴うこれらの経費は、国において負担するものとすること。

5.国の負担25%のうち5%は調整交付金とされているため、都市によっては国の負担が25%を下まわることが相当あり、その場合、その下まわる部分は1号被保険料の増額となるので、繰り返し要請しているように調整交付金は25%の外枠とすること。また、財政安定化基金については、国及び都道府県の負担とすること。
 以上決議する。

平成12年11月9日

                全 国 市 長 会