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第2章 リサイクルの一層の促進

第2章 リサイクルの一層の促進

 本章及び第3章は、第1章における新法制定に係る諸提言及びその趣旨を踏まえつつ、都市自治体自らが当面努力を傾注すべき、重要な課題について提言するものである。


1.リサイクルの一層の促進に向けた必要条件
 リサイクルをより一層促進していくためには、可能な限りマテリアルリサイクル(物質回収)(注1)を進めるとともに、それが困難な場合にはサーマルリサイクル(エネルギー回収)(注2)を行うような、資源循環を基調としたリサイクルシステムを構築することが重要であり、また、社会的合意に基づく各主体の役割分担によって、そのシステムを十分に機能させていかなければならない。

 環境負荷の少ない資源循環型社会を構築するためには、廃棄物を資源として有効に活用するリサイクルシステムを構築するとともに、都市を構成する事業者(企業)・市民(消費者)・行政(都市自治体)が、各々の活動局面で、環境負荷を軽減する努力を払い、資源循環型のシステムを基軸とした都市づくりの担い手として、明確に位置づけられる必要がある。
 リサイクルシステムの構築のためには、それに適する社会システムへの転換、経済的整合性の確立、技術開発を積極的に行う必要がある。また、リサイクルを十分に機能させていくためには、社会的合意に基づく、各主体の役割分担を明確にすることが必要であり、その前提条件としての社会全体の意識改革のためには、環境情報の提供と環境学習がより一層充実されていくことも必要不可欠である。そして、各主体がその役割分担のもとに取り組み、社会全体として環境負荷を低減していくためには、リサイクル法に加えて、資源回収率や製品への再生資源混入比率などの設定を盛り込んだ、リサイクルの輪が回るようなシステムの立法化が求められる。それは、引いては包括的な新法制定へとつながっていくことになろう。
 なお、リサイクルを行うにあたっては、環境保全上適切な対策が講じられることのほか、処理コストや事業の効率性を考えることが大切である。また、必要とされるコストについては、事業者・市民・行政が応分に負担すべきである。

(注1)マテリアルリサイクル(物質回収)
 素材を材料としてそのまま利用する物理的リサイクルの「材料リサイクル」と、素材をそのまま材料として物理的に利用するのではなく、何らかの化学反応を利用して行うリサイクルである「ケミカルリサイクル」の総称。
 ただし、「材料リサイクル」については、製造された製品が燃焼による熱利用のほかに用途がない場合には、製品の製造過程を含めて「サーマルリサイクル」に位置づけるものとする。
(注2)サーマルリサイクル(エネルギー回収)
 燃焼に伴う熱を利用することにより、焼却ごみを有効利用することであり、温水等の熱供給や発電等の方法がある。また、未利用エネルギーの活用とともに、既存エネルギーの利用節約を通じ、結果的に二酸化炭素等の排出抑制につながる等の利点がある。


2.リサイクルの容易な製品開発とその使用
 リサイクルについての資源・エネルギー収支やコストダウンに配慮するとともに、社会的に効率的な仕組みになるよう、廃棄物になったときのリサイクルを容易にするような製品開発が事業者に求められる。また、消費者には、「リサイクルしやすい製品を買う」という協力など、リサイクル社会を構築する努力が以前にも増して望まれる。

 再生資源の利用をより一層促進させるためには、再生資源の原材料としての利用自体を促進させることに加えて、製品の材料・構造等について、製品の設計・製造段階においてあらかじめ十分な対応を行い、リサイクルの容易化とそれによるリサイクルのコストダウンを図ることがきわめて重要である。
 平成3年に施行されたリサイクル法においては、このような観点から、自動車・大型家電製品等(第一種指定製品)について、原材料の構造の工夫、分別や処理の安全性の工夫等の諸点につき事業者の判断基準となるべき事項を定めているが、このような製品の事前評価は、リサイクルの一層の促進のために、それ以外の製品についても広く実施されることが望まれる。
 以上の観点から、下記の事業者の役割のうち、製品の仕様規格の統一については、特にビンなどで規格品を増やすこと、いわゆるリターナブルビンを増やすことが望ましい。

〔各主体の役割〕
 事業者には、リサイクルしやすい製品という観点から、製品の仕様の工夫・規格の統一、原材料の選択、ISO等の規格に準拠した部品等の素材識別表示を行うほか、使用を促進するための広報、啓発が求められる。
 市民には、リサイクルしやすい製品の選択・購入に努めることが求められる。
 都市自治体は、行政、事業者及び市民の行動に関するアクションプラン等の策定や、事業者や市民へ情報を提供することにより、リサイクルしやすい製品の製造・購入を啓発するとともに、需要を喚起し、安定流通対策を講じることが求められる。また、都市自治体は、事業主体であるとともに、廃棄物を排出する責任主体でもある。そこで、ISO14000シリーズ(注3)の自らの取得等を検討することと合わせて、地域の事業者の取得を支援するべきである。

(注3)ISO14000シリーズ
 環境マネジメントシステムと環境監査に関する国際規格。都市自治体においては、上越市をはじめとして認証取得の動きが出てきている。また、日本におけるISO14001(環境マネジメントシステム)認証登録状況は、平成10年5月末現在で総数973件である。


3.環境学習・環境情報提供の推進
 循環型社会の構築をめざし、環境にやさしいライフスタイルに転換していくためには、各主体が自ら環境学習に努めるとともに、行政や事業者による消費者への環境情報の提供と環境学習の推進が必要である。

 今日の廃棄物問題は、その原因において市民のライフスタイルと密接にかかわっている。そのため、市民及び事業者が、それぞれの日常活動・事業活動が環境にどのような影響を与えているか、また、そのことが自分たちの生活や将来の世代にどのような影響を及ぼすかなど、人間と人間を取り巻く環境との相互作用について良く理解し、実際の行動に活かしていく必要がある。環境学習の推進によって、環境負荷の少ない行動様式が、いわば「当たり前」のものとして身につき、「具体的行動」が広範かつ恒久的に行われるようになることが望まれる。
 環境学習の推進方策としては、以下の基本的考えのもとに、再構築される必要がある。

 ①すべての年齢層が幅広く関心を持てるような一貫した体系(関心の喚起→理解の深化→参加する態度・問題解決能力の育成→具体的行動)を構築すること。
 ②知識・理解を行動に結びつけるために、継続的な実践的体験を環境学習の中心に位置づけること。
 ③各自が学びの主体として、継続的に実践的体験活動を行うことができる場を用意すること。
 ④環境学習の基盤として、情報・プログラム・人材等を的確に提供することにより、体系的な環境学習が可能となるような仕組みを構築すること。

 なお、リサイクルに係わる情報基盤の整備については、産官学民にNPOや専門家などを加えた情報ネットワークの構築や、取り組みを担う人材の育成のための基盤整備も有効である。

〔各主体の役割〕
 事業者には、リサイクル型社会形成のために消費者への情報提供に努めることが求められ、都市自治体には、リサイクル推進に関する啓発や環境に関する現状・日常生活との係わり・対策等の情報提供を行うことが求められる。
 また、市民には、環境学習の自己啓発や学習機会への積極的な参加が求められる。

〔環境学習の事例〕
*A市*

 ごみ排出のマナーや意識の啓発は子供の頃からの学習に期待される部分が大きいことから、全市の小学校4年生を対象にして、社会科副読本『美しいまちに』を作成・配布している。また、「こども環境サミット」(開始年度:平成6年度)を開催して、市内の小中学生から環境問題として廃棄物や省エネルギーに関する意見発表や市長への提言等をもらっている。さらに、全市民向けにはごみガイド『美しいまちに』を作成配布しているほか、リサイクル活動への積極的な取り組みを啓発することを目的とした「リサイクルフェア」を開催している。また、環境アドバイザー制度(開始年度:平成9年度)を創設し、地域の要望に応えて廃棄物問題等に関する講習等を行っている。


4.分別排出の徹底と多様な資源回収ルートの整備
 リサイクルが効率的に行われるためには、資源物の排出段階において、分別排出が徹底されることが必要である。また、都市自治体による資源分別収集や集団回収(注4)などの既存の資源回収ルートの拡充を図るとともに、その他の資源物についても多様な回収・再生利用ルートとシステムの構築を図っていく必要がある。

 混合した廃棄物の中から再生利用可能なものを選別するためには、相当程度のコストが必要になるが、排出段階で分別すれば、社会的費用は相対的に小さくなる。したがって、廃棄物の排出時に、再生資源物の分別排出が徹底して行われることがきわめて重要になる。
 特に、都市自治体の分別収集ルート、民間回収業者による集団回収等のルートなどに加えて、スーパーマーケット等による店頭回収、家電製品等の販売ルートを通じた回収等、都市自治体の収集や回収業者による回収ルートを補完するシステムの整備・強化を図るべきである。
 その際の収集・回収に伴う費用は、自己責任(発生者・排出者責任)の原則により、事業者や市民が負担すべきものである。
〔各主体の役割〕
 国や都道府県には、EPRの監視や都道府県の区域内における市町村間調整(広域リサイクル等)の促進が求められる。また、都市自治体には、事業者や市民の自己責任(発生者・排出者責任)をより明確化して分別回収の徹底を図るとともに、補完的回収ルートの確立・整備や資源ごみ収集施設(リサイクルセンター、ストックヤード等)の整備に努めることが求められる。
 事業者には、リサイクル責任(拡大生産者責任:EPR)に基づく自主的回収の実施拡大に伴い、店頭回収システムの強化や処理費用の製品価格への内部化を図ることが求められる。また、市民には、適切な廃棄方法を遵守(カセットボンベ等)して分別収集に積極的に協力するとともに、応分の負担をすることが求められる。

〔分別収集の事例〕
*B市*

B市では、容器包装の1つであるトレーについて、平成9年4月1日より一般家庭ごみを対象にした収集ルートとして、市による直接収集を開始した。具体的には、分別収集の1品目として、ステーション方式により週1回収集するもので、これにより従来の店頭回収に加えて2つのルートが整備された。実際の収集作業は、委託先である「環境事業公社」が行い、リサイクルルートに乗せられている。

(注4)廃棄物処理やリサイクルを行う実施主体が行政の場合を「収集」、民間・ボランティア等の場合を「回収」とする。


5.マテリアルリサイクル(物質回収)システムの整備
 資源・エネルギー収支に配慮しつつ、最終処分量の軽減や資源の有効利用の観点から、極力マテリアルリサイクル(物質回収)を進めることが必要である。また、行政及び事業者はリサイクル施設の整備(インフラ)を進めるとともに、行政はリサイクルの広域連携(近隣市町村あるいは県レベル)のための調整を行う必要がある。

 リサイクルの促進によって資源化量が増えても、廃棄物の総量が変わらなければ、社会全体としてのコストダウンにはつながらない。したがって、消費段階において、廃棄物になりにくい商品の選択・購入やリタ-ナブルビンに代表される製品の再使用に努めるなど、ごみの減量化を社会に定着させていくこともきわめて重要である。
 リサイクルの形態としては、「マテリアルリサイクル(物質回収)」と「サ-マルリサイクル(エネルギ-回収)」の2分類があるが、最終処分量の軽減や資源の有効利用の観点から、極力「マテリアルリサイクル」を推進することが望ましい。
 古紙、廃プラスチック、ビン・缶のマテリアルリサイクル推進の具体的方策としては、次のようなものが考えられる。
古紙については、リサイクル法によって、紙製造事業者に対して古紙の利用促進が義務づけられているが、下記の方策を推進することによって、引き続き、再生利用能力の拡大に努めるべきである。

  ①古紙利用率の設定及び達成、古紙混入率の上昇に関する技術開発
  ②製紙原料以外の新規用途としての利用推進(コンクリ-ト型枠等)

 廃プラスチックについては、ペットボトルや発砲スチロール製トレイのマテリアルリサイクルが行われているが、経済的・技術的に最も実施困難なものである。しかし、技術的、経済的理由や環境負荷の程度等で実施困難な場合以外は、収集・回収ルートの拡大を推進しつつ、マテリアルリサイクルの拡充・基盤の確立を図っていくべきである。
 ビン・缶のリサイクル性は高いが、ビンについてはリターナブルビンの利用拡大やカレット利用率の向上、スチール缶及びアルミ缶については再生素材の品質向上等による用途拡大を推進すべきである。
 市町村単位では資源物の収集量が少なく、経済的・効率的処理がなされないなどの場合には、広域リサイクルが推進されるべきである。そのため、国や都道府県は都道府県の区域内における市町村間調整等を促進するとともに、市町村や事業者においては、リサイクル施設の整備や技術開発・導入に一層努めるべきである。

〔各主体の役割〕
 国及び都道府県には、都道府県の区域内における市町村間調整(広域リサイクル等)の促進や新しい技術の開発・情報提供が求められる。さらに、都市自治体には、リサイクル施設の整備や新しい技術の開発・導入に努めることが求められる。
 事業者には、素材ごとのリサイクルや部品の再生利用及び都市自治体において適正処理・高度処理が困難なものをリサイクルすることのほか、リサイクル技術の開発や他用途転用を検討することが求められる。また、市民には、応分の負担が求められる。

〔マテリアルリサイクルの事例〕
*C市*

 C市では、平成10年10月から、販売業者、容器・内容物メーカー及びC市が協働して、使用済みペットボトルのモデル的な事業者回収ルートを構築し、ペットボトルリサイクルの一層の推進を図る目的で、「ペットボトル事業者回収システム」を始めた。同システムでは、販売業者はペットボトルの回収ボックスを設置し、回収されたペットボトルを市の資源化センターまで運搬する。また、回収されたペットボトルの再商品化施設までの運搬及びフレーク化(再商品化)については容器・内容物メーカーが行うが、具体的には、一旦市内の民間の保管場所に貯留し、その後、固形燃料化(RDF)及び溶融固化しての埋め立ての2方法で処理している。市の役割としては、回収システムが円滑に機能するよう、運営管理の総括と調整を行うとともに、分別排出基準の向上に努めることとしている。


*D市*

 D市では、平成7年4月から、それまで可燃ごみとして処理していたプラスチックごみを分別収集することになった。これによって、「資源物」「可燃ごみ」「不燃、粗大ごみ」「有害ごみ」という4分別収集が、「プラスチックごみ」を加えた5分別収集になった。資源物については、古紙類、古布類、紙パック類、空ビン類、空カン類、金属類の6種類に分けて行われている。同市と資源回収の協定を結んでいるD市再生資源事業共同組合において、月2回、品目ごとに買い上げられ、町内会・自治会に支払われている。また、市も資源回収の円滑な推進を図るため、町内会・自治会に対して報奨金や助成金を交付している。


6.サーマルリサイクル(エネルギー回収)の導入
 技術的・経済的理由や環境負荷の程度等によって、マテリアルリサイクルが困難なものについては、焼却に伴う環境対策に万全を期しながら、焼却熱をエネルギーとして利用するサーマルリサイクル(エネルギー回収)を行うべきである。なお、廃プラスチックの油化や固形燃料化については、燃料として用いた場合には、サーマルリサイクルに含めるものとする。

 サーマルリサイクル(エネルギー回収)には、未利用エネルギーの活用とともに、既存エネルギーの利用節約により結果的に二酸化炭素排出抑制につながるなどの利点があるが、サーマルリサイクルは、あくまでマテリアルリサイクルの代替としての位置づけを明確にすべきである。一般には、分別不能な紙ごみ・厨芥・廃プラスチック等についてサーマルリサイクルを進める必要があると考えられるが、ドイツの循環経済・廃棄物法において、サーマルリサイクルを行う場合には、「11,000kj/kgの発熱量、熱効率75%、得られた熱を実際に利用すること」という条件が付けられているように、サーマルリサイクルを選択するにあたっての基準・条件を設定する必要がある。
 なお、廃棄物収集量の少ない地域においては、RDF化を推進することにより、複数の施設で製造されたRDF(注5)を一箇所に集めるという、規模の拡大による経済性の向上を図ることが期待される。

〔各主体の役割〕
 国や都道府県には、都道府県の区域内における市町村間調整(広域リサイクル等)や新しい技術の開発・情報提供が求められる。また、都市自治体には、リサイクル施設の整備や焼却熱等の活用を考慮した複合施設の建設のほか、新しい技術の開発・導入に努めることが求められる。
事業者には、リサイクル技術の開発・情報提供を行うことが求められ、また、市民には、応分の負担が求められる。

〔サーマルリサイクルの事例〕
*E市(スーパーごみ発電)*

 E市では、平成10年5月からスーパーごみ発電の運転を開始した。スーパーごみ発電は、ガスタービンと蒸気タービンのコンバインドシステム(複合発電)で、高効率発電が可能となるものである。このシステムは、同市と民間企業2社の協力体制によって稼動している。発電された電力は工場での自家消費の外、隣接する市施設の電力として供給し、残りの電力(約75%)は電力会社に売電している。同市のスーパーごみ発電システムの導入は、国内3番目、国内最大となっている。


(注5)RDF(Refuse Derived Fuel)
 生ごみ・紙等の可燃性ごみを乾燥・粉砕・成型処理して作られる固形燃料。腐食の心配がなく、体積が大幅に減るため運搬や貯蔵が簡単であり、また石炭と同程度の発熱量を持ち、材質が均一なため高温で完全燃焼させやすく、ダイオキシン等の有害物質の発生割合が低く押さえられるなどのメリットがある。用途としては、暖房用ボイラーやセメント製造時の燃料のほか、発電などがあり、自治体のごみ処理技術の一つとして注目されている。ただし、800℃以下の低温燃焼ではダイオキシン類が排出されるため、環境庁では、RDFを使うボイラーや発電施設を大気汚染防止法に基づく、「排ガス中のダイオキシン類の規制対象施設」に追加する方針で検討中である。

7.再生品の使用促進
 リサイクルシステムが円滑に機能するためには、すべての経済主体が再生品の購入主体であるという認識のもとで、再生品を積極的に選択・購入し、需要を拡大するなど、安定的な再生品市場の確保が必要である。

 リサイクルの推進のためには、安定的な再生資源利用製品の需要が存在することが重要である。このため、市民・事業者・行政のすべての主体が、使用・消費段階において積極的に再生資源利用製品や有害物質を含まない製品の利用拡大に努めるとともに、長期使用に努めるべきである。
 特に、自治体はグリーン購入を推進し、再生品の市場競争力が高まるような支援策を講ずるべきである。

〔各主体の役割〕
 事業者には、リターナブルビンの使用拡大や他用途転用の検討を行うことのほか、自らグリーン購入に努めることが求められる。
 市民には、再生品の選択・購入・使用拡大を積極的に行い、それに伴う応分の負担をすることが求められる。
 都市自治体には、低負荷製品リスト、環境情報の提供を通じて、再生品使用拡大(需要喚起)のための啓発と意識改革を行うことや、静脈産業の育成、物流の合理化を推進することで、安定流通対策を強化することが求められる。また、自ら積極的にグリーン購入をすることも求められる。

〔再生品使用促進の事例〕
*F市*

 F市環境事業局は、平成6年3月に「庁内ごみ減量化・資源化推進本部」を設置し、平成9年度には庁内の再生紙利用率を96%に伸ばすなどの実績を上げてきた。さらに、平成10年10月には、「F市環境保全行動計画」を策定し、エネルギ-使用量や用紙使用量の10%削減を目指した「環境配慮の10%行動」や、環境負荷の少ない用品を購入する「グリーン購入」などを推進している。また、平成10年11月10日には、庁内の文具事務用品について再生品の購入を義務づけた、「庁内再生品等購入及び使用促進要領」を施行した。同要領は、コピー用紙は古紙混入率100%,ボールペンは軸が再生樹脂製品のものなど、用紙類6品目・文具事務用品28品目について基準を設け、基準品以外は購入できないことを原則としたものであり、「要領」で再生品使用を義務づけたものとしては、全国で初めてのものである。