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各地における「三位一体の改革」実現に向けた活動(平成16年11月9日)

 地方分権のための「三位一体の改革」に向けた気運が高まるにつれ、その実現を目指した動きが、各地で緊急アピールの発表や新聞への意見広告掲載などの形で具体化している。
 10月28日(木)、福井・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の2府7県知事、京都・大阪・神戸の3政令市市長、さらに大阪・京都・神戸の商工会議所、関西経済同友会、関西経営者協会並びに関西経済連合会の代表者など、自治体と経済団体が連名して「『三位一体の改革』実現に向けた関西からの緊急アピール」を政府に提出し、①地方六団体の「国庫補助負担金等に関する改革案」を最大限尊重すること、②政府の補助金改革案の全体像を早期に示し、確実に税源移譲に結びつけること、③国の歳出削減を目的とする不合理な地方交付税総額の削減は断じて許されず、地方交付税の見直しにあたっては、地方の意見・実情を十分に踏まえることを求めた。
 また、この日、45の経済同友会からなる全国経済同友会の地方行財政改革推進会議が「総理の決断で、三位一体改革の着実な実行を求める」と題する意見書を発表、①国庫補助負担金削減については地方六団体案を尊重、総理の決断で3兆円の税源移譲を確実に実施し、②平成19年度以降に向け、政府は早急に地方財政計画・地方交付税の抜本的改革を含めた三位一体改革の全体像と工程表を示すべきとした。
 鹿児島県では11月2日(火)、県市長会会長の赤崎・鹿児島市長をはじめとする六団体の長が共同で、「真の地方分権改革としての三位一体改革の推進に関する緊急アピール」を発表し、財務大臣が、地方交付税が地方の固有財源であるにもかかわらず、当面の国庫補助負担金改革の規模の2倍以上にあたる7.8兆円の地方交付税等の一方的削減を提案するなど、国と地方の信頼関係を損なう発言を重ねていることを指摘、平成17年度の地方税、地方交付税等の一般財源総額について、「基本方針2004」を踏まえ、少なくとも前年と同程度の水準を確保すること等を国に求めた。
 秋田県では11月7日(日)、県市長会をはじめとする六団体が連名で、「だから、いま、三位一体改革」と打ち出した意見広告を地元新聞に掲載、気候風土や歴史文化が異なる地方に対する基準を国が全国一律・画一的に決めることが、成熟した民主主義の姿なのかを問いかけ、①税源の移譲、②補助金の廃止・縮減、③地方交付税の見直しを求めた。また、三位一体改革は、国から地方に権限・財源を移し、地域住民に身近で透明な行政を実現し、地域のニーズに迅速、的確に対応を目指すものであると謳うとともに、「私たちは、真の分権型社会に向け、三位一体改革の実現に全力で取り組んでいます」として、自らを分権改革推進の担い手と宣言した。
 福島県では11月8日(月)、県市長会をはじめとする六団体の主催により「第3回地方分権と三位一体改革の推進を求める福島県総決起大会」が行われ、佐藤知事や県内市町村長など1,500人が参加した。大会では「地方分権と三位一体改革の推進を求める緊急決議」を採択、①地方六団体の改革案を基に税源移譲と国庫補助負担金廃止を同時かつ一体的に実施すること、②国庫補助負担金改革に際し、国庫補助負担率引き下げ等の単なる地方への負担転嫁は、地方分権推進の趣旨に反しており絶対認められないこと、③地方交付税の総額を確保し、移譲額が国庫補助負担金廃止に伴い財政措置すべき額に満たない団体には地方交付税により財源措置を行うこと、また、平成16年度のような一方的かつ急激な削減は断じて容認できないこと、④税源移譲に伴い団体間の財政力格差拡大が想定されるため、税財源の乏しい団体においても必要な行政サービスが十分確保されるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図ることについて、県選出国会議員、関係省庁に対し要望した。
 13政令市からなる指定都市市長会は11月9日(火)、会長の松原・名古屋市長が、政府が今月まとめる予定の国・地方税財政の三位一体改革の全体像について、自治体の安定的財政運営に必要な地方交付税の総額確保を求める緊急意見を、竹中・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)等に手渡すこととしている。
 この他にも、熊本県で11月4日(木)、県市長会会長の幸山・熊本市長、潮谷知事並びに県町村会会長の冨永・菊陽町長の3者が、国・地方税財政の三位一体改革に関連して、少なくとも地方交付税総額は2004年度の水準を確保すること等を求めて、政府や県選出国会議員に緊急提言しており、また、京都府でも11月5日(金)、府と府内市町村が、三位一体改革について、「地方へのさらなる負担転嫁は絶対に認められない」とする緊急提言をまとめている。