理事・評議員合同会議決定(H22.11.18)




子ども手当に関する決議

 

 我々都市自治体は、少子化施策が国と地方の信頼・協力関係の下で着実に推進されるべき喫緊の最重要課題の一つと認識している。
  このため、都市自治体は地域の実情に即した様々な子育て支援策を実施し、懸命の努力を傾注しているところである。
  このような中、子ども手当に係る平成23年度予算概算要求において、昨年同様、我々の主張に耳を傾けることなく、地方との十分な協議もないまま平成22年度予算の負担ルールを当てはめ、地方負担を含めた要求がなされたことは誠に遺憾である。
  子ども手当に関する地方負担は、住民の不利益を回避する必要があるとの判断の下、あくまで今年度限りの措置として受け止めたものである。
  平成23年度以降の子ども手当の本格的な制度設計に当たって、地方と 十分な協議もないまま、再び国による地方軽視の一方的な決定がなされることとなれば、我々としては、事務の返上も視野に入れた断固たる態度で臨むものである。
  今後、子ども手当の在り方については、「国と地方の協議の場」等で総合的な子育て支援策も含め検討が行われることとなっているが、国は、特に下記事項について万全の措置を講じられたい。

 

1.全国一律の現金給付による子ども手当は、システム整備等の事務費や人件費を含め、全額国庫負担とするとともに、都市自治体の事務負担を極力軽減すること。

2.保育料、給食費等の未納問題に対応するため、公平・公正の観点から、必要に応じて子ども手当を未納の保育料等の徴収すべき子育て関係費用に充てることができるよう法律に明記すること。
  このことについては、本年度においても実現できるよう速やかに対応すること。

3.都市自治体は、安心して子どもを産み育てることのできる環境整備に向け、地域の実情に応じた様々な子育て施策を推進する必要があることから、国の子ども・子育て支援施策の在り方については、全国一律の現金給付による子ども手当と保育サービスをはじめとする子育て関係経費とのバランスにも十分配慮すること。
  また、保育サービスなどの子育て施策については、国において、十分な財源を確保し、地域の実態に応じたものとなるよう地方の裁量に委ねるべきであること。

4.国民の理解が十分得られるよう、国はその責任において、積極的な広報活動を行うこと。

5.子ども手当の具体的な制度設計に当たっては、地域主権の理念に基づき、「国と地方の協議の場」等における都市自治体の意見を十分尊重して、総合的な子育て支援策に関し、国と地方の役割分担を明確にした制度の構築を図ること。

 

以上決議する。

平成22年11月18日

全 国 市 長 会