理事・評議員合同会議決定(H19.11.15)



 

 医療制度改革及び医師確保対策の推進に関する決議

 

 我が国の社会保障給付費は、高齢化の進展等に伴い大幅に増加し続けている現状にあることから、給付費の抑制、高齢者世代と現役世代の負担の公平等を図るため、平成18年度の医療制度改革において、後期高齢者医療制度の創設や生活習慣病の予防など医療費適正化のための総合的な対策が打ち出され、現在、法施行に向けた諸準備が進められている。
 一方、近年、新医師臨床研修制度の発足を契機として、自治体病院をはじめ全国の病院等における医師不足や診療科の偏在等が顕著となり、医療に対する住民の不安や医療サービスの低下を招き、深刻な社会問題となっている。
 よって、国は、医療制度改革を着実に推進するとともに、医師不足等を解消し、地域における適切な医療提供体制を確保するため、下記事項について万全の措置を講じられるよう強く要請する。

1.医師等の確保対策

(1)医師不足の解消や地域ごと・診療科ごとの医師偏在の是正を図るため、地域における充足状況を早急に調査した上で、都道府県域を越えた需給調整システムや医師派遣体制を構築するとともに、医学部の定員を更に増やす等、医師の絶対数を確保するための特段の措置を講じること。
(2) 産科・小児科医等の不足が深刻な診療科において、医師の計画的な育成、確保及び定着がなされるよう、実効ある施策及び財政措置の充実を図ること。
(3)看護師等の養成・確保を図るため、養成機関の充実や勤務条件の改善等適切な措置を講じるとともに、財政措置等の充実を図ること。
(4)医学部入学に際し、実効ある「地域枠」を設けること。また、地域医療を担う医師を養成するための「奨学金制度」や医学部に「専門講座」等を設けるとともに、十分な財政措置を講じること。

2.療養病床の再編
 療養病床の再編については、医療の必要性が高い患者への適切な医療提供体制を確保するとともに、地域の実態に即した施策となるよう、万全の措置を講じること。

3.後期高齢者医療制度等の円滑な施行

(1)政府与党において決定された高齢者(70〜74歳)の窓口負担の1割から2割への引上げ及び後期高齢者の一部(被用者保険の被扶養者)の保険料負担の凍結については、必要な情報を早急に提供するとともに、十分な財政措置を講じること。
(2)後期高齢者医療制度創設に伴う電算システム開発経費等について、既に多大な財政負担が生じている上、新たに再改修の財政負担が生じているので、国の責任において万全の措置を講じること。
(3)後期高齢者医療制度の円滑な運営には、国民の理解と協力が不可欠であるため、国においても制度の趣旨や内容について十分な広報を行うこと。

4.健診・保健指導に係る財政措置等
 市町村国保及び後期高齢者医療広域連合が実施する健診・保健指導に係る人件費、電算システム経費等について、地域の実態を踏まえ十分な財政措置を講じるとともに、保健師等の人材が確保できるよう、適切な支援策を講じること。

 

以上決議する。

平成19年11月15日

全 国 市 長 会