第76回全国市長会議 決議




地方財政危機突破に関する決議

 

 平成18年度までの改革の期間中に、地方交付税は、改革の名の下に大幅に削減され、都市自治体は極めて厳しい財政運営を余儀なくされてきた。

 いま、地方財政は、これまでにない危機的な事態に直面している。

 現在、国が検討を行っている歳出削減の議論では、地方歳出及び地方交付税の総額を一方的に削減しようとするなど、極めて問題である。

 「国・地方間のバランスのとれた財政再建の実現」の名の下に、国の財政のために地方に大幅な歳出削減を押しつけようとするものであり、到底看過できないものである。

 最終支出である社会保障費などの具体的な削減方策や規模を示すことなく、地方交付税制度の本質論を無視した削減ありきの地方交付税の見直しには、断固として反対をするものである。

 平成19年度は、三位一体改革後の第二期改革の初年度となる大事なときである。政府は、都市自治体が責任を持って自立した行財政運営ができるよう、真の地方自治確立のため、下記事項を実現するよう強く要請する。

 

 

1 地方交付税は、地域社会の存立基盤を維持し、国が定めた一定水準の行政サービスを国民が全国どこでも享受できるようにするため、資源の再配分を行う地方自治体の共有財源である。

 中間支出である地方交付税の削減の数値目標を設定することは本末転倒であり、削減ありきの交付税見直しには断固反対する。

 

2 地方交付税が、国から恩恵的に与えられているものでないことを明確にするため「地方共有税」に組み替えるとともに、財源保障、財源調整の両機能は引き続き確保すること。

 また、景気対策や政策減税、財政対策等、国が後年度財源措置すると約束した交付税措置は確実に履行すべきであり、地方交付税を減じることがあってはならない。

3 公庫機能を承継する全国共同資金調達機関(地方共同法人)の設立 

  「行政改革推進法」により公営企業金融公庫は『平成20年度において、廃止するもの』とし、新しい仕組みへ移行するとされているが、上下水道など住民生活に欠かせない公共施設整備が円滑に実施できるよう、長期・低利の資金を安定的に供給する全国ベースの共同資金調達機関として地方共同法人の設立など新たな法的枠組みを構築すること。

  また、このような機能を十分に果たすため、必要な財政基盤を確保できるよう、現在の公庫の財務基盤(債券借換損失引当金、公営企業健全化基金等)については、新たな組織に確実に承継させること。

 

 以上、決議する。

 

 平成18年6月7日

第76回全国市長会議