理事・評議員合同会議決定(H17.11.10)



地方分権の推進に関する決議


 平成5年に行われた衆・参両院の「地方分権の推進に関する決議」から始まった地方分権改革の歩みは、平成12年4月の地方分権一括法の施行を経て、大きな流れとなっている。また、市町村合併が全国的に行われ、分権の担い手としての自治体の基盤の拡充が進んでいる。
 このような状況のもと、都市自治体は、自立性の高い総合的・包括的な行政主体として、活力に満ちた個性ある地域社会の実現のために大きな役割を果たしていくことが強く求められている。
 そのためには、市町村、都道府県、国の間における事務・事業や権限の分担に当たっては、基礎自治体を最優先するという「補完性の原理」の考え方に基づき、事務・権限の移譲や国等の関与・規制の縮小の一層の推進を図る必要がある。
 よって、国においては、真の地方分権型の新しい行政システムを構築するため、下記事項を実現するよう強く要請する。



1.地方分権の理念に沿って真の三位一体改革を推進し、残された地方分権改革の最大の課題である国から地方への税源移譲等を基軸とした都市税財政基盤の確立を図ること。
 また、国庫補助金の廃止に際しては、同時に、法令等による事務の義務付けの廃止や基準の弾力化など、国の関与・規制を廃止・縮小すること。

2.合併の進展等により、都市自治体は、自治の基盤の充実が進んできている。したがって、自立性の高い行政主体として、福祉や教育など住民に身近な事務を総合的・完結的に処理できるよう、一定の分野ごとにまとまった事務及びこれに伴う所要財源を移譲すること。
  特に、まちづくりや土地利用に関する事務については、早急に移譲するとともに、関与の見直しを図ること。

3.政令指定都市は都道府県と同様に、中核市は政令指定都市と同様に、特例市は中核市と同様になるよう、事務・事業に係る一層の権限を移譲すること。
 また、中核市の面積要件の緩和及び特例市の指定要件の見直しを図ること。
 なお、教職員の任命権等について、広域的な人事交流の仕組みも講じながら、中核市をはじめとする都市自治体に早期に移譲すること。

4.自治体に重大な影響を及ぼす事柄について、地方の意見が適切に国に反映されるような仕組みの構築を図ること。

5.教育委員会、農業委員会については、設置するか、設置せずにその事務を長が行うかを地方公共団体の判断により選択できるようにすること。
 また、幼稚園、生涯学習・社会教育、文化スポーツなどの義務教育以外の事務については、原則として首長の責任の下で行うこととすること。

6.合併市町村の円滑な行政運営の推進と計画的な振興・整備を図るため、的確な情報提供や地域の実態に応じた制度の見直し及び適切な財政措置を講じること。

以上決議する。

 平成17年11月10日

全 国 市 長 会