第74回全国市長会議 決議




地方分権の推進に関する決議
   
 真の地方分権を実現し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を形成することが重要な課題となっており、これは世界の潮流である。
 また、我が国の内政を取り巻く環境が大きく変貌する中、国と地方の役割分担を明確にし、地方の自己決定の範囲を拡大するなど、地方分権型の新しい行政システムを構築し、自主・自立の地域社会を実現していくことが求められている。
 こうした社会の要請を受け、『基本方針2004』に「地方分権の更なる推進に向けて将来の道州制の導入に関する検討を本格化させる」ことが盛り込まれ、また、第28次地方制度調査会においても、「地方にできることは地方に」の基本方針のもと、道州制のあり方、大都市制度のあり方、地方制度の弾力化等地方自治の一層の推進を図る観点からの審議が開始され、地方行財政の構造改革につながる具体的な成果が期待されている。
 とりわけ、都市自治体は、住民に最も身近な基礎自治体として、「補完性の原理」の考え方に基づき、地域における包括的な役割を果たすことがこれまで以上に期待されており、自立性の高い行政主体となるためには、十分な権限と税財政基盤の確立が必要である。
 よって、国においては、地方分権の推進に当たり、下記事項を実現するよう強く要請する。



1.地方の歳入・歳出両面での自由度を高め、権限と責任を大幅に拡充するため、地方分権の理念に沿って真の三位一体改革を推進し、残された地方分権改革の最大の課題である国から地方への税源移譲等を基軸とした都市税財政基盤の確立を図ること。 
 また、国庫補助金の廃止に際しては、同時に、法令等による事務の義務付けの廃止や基準の弾力化など、国の関与を廃止・縮小すること。

2.都市自治体が、自立性の高い行政主体として、地域の特性を生かした個性豊かな地域社会を形成し、少なくとも、福祉や教育、まちづくりなど住民に身近な事務を総合的に処理することができるよう、人口規模等に応じて、事務・事業の更なる移譲を推進するとともに、さまざまな国の関与の廃止、縮減を一層進めること。

3.特例市は中核市と同様に、中核市は政令指定都市と同様に、政令指定都市は 都道府県と同様になるよう事務・事業の移譲を図ること。
 また、中核市、特例市の指定要件を緩和すること。

4.市町村合併の積極的な取り組みが全国的に進められているが、自主的合併が円滑に進展するよう、的確な情報の提供や相談、助言を充実するとともに、合併市町村の計画的な振興、整備を促進するため、合併特例債について地域の実態に応じた活用ができるようにするなど、適切な行財政支援措置を講じること。
 
 以上決議する。

  平成16年6月9日

第74回全国市長会議