理事・評議員合同会議決定(H15.11.13)



介護保険制度の基本的見直しに関する決議


 介護保険制度は、施行後3年半が経過し、その間、関係者の弛まぬ努力により着実な定着が図られてきたところである。しかし、要介護等認定者が約7割、サービス利用者が約9割増加したこと等により、介護給付費は年々増大し、これに伴い、本年4月(第2期事業運営期間)からの第1号保険料が第1期基準月額に対し13.1%増の3,293円となるなど、様々な課題が山積している。
 今後、各保険者がますます厳しい財政運営を強いられることは必至の状況となっており、介護保険が第二の国保となることが強く懸念されている。
 このような状況を踏まえ、現在、国においては、社会保障審議会介護保険部会を中心に、法施行後5年を目途とする制度見直しに向けた検討が重ねられているところである。
 よって、国は、同制度見直しの検討にあたり、下記事項を実現するよう強く要請する。



1.介護給付費負担金を25%とし、調整交付金は別枠とするとともに、財政安定化基金の原資については、国及び都道府県の負担とすること。
 また、介護保険制度の持続的かつ安定的な運営のため、国の公費負担割合の引上げについて、抜本的な検討を行うこと。

2.在宅と施設の保険給付については、在宅サービスと施設サービスの在り方や利用者の負担の在り方を含め、その均衡を図る方策を検討すること。

3.国が実施している低所得者対策は、保険料及び利用料の軽減策が十分でないことから、抜本的に検討し、国の制度として、財政措置を含めて総合的かつ統一的な対策を講じること。
 また、社会保障制度間で異なる低所得者定義の一本化に向け、抜本的な検討を行うこと。

4.第1号保険料について、保険料納付の利便性、徴収事務の効率化及び徴収率の向上を図るため、全ての年金を特別徴収の対象とすること。

5.有料老人ホーム等の特定施設及びグループホーム並びに養護老人ホームの入所者に対しても住所地特例を適用すること。

6.介護サービス事業者に対する都道府県の指導・監督業務が十分に機能していない実情にあることから、その機能強化を図るとともに、保険給付の適正化が円滑に進められるよう、国、都道府県と市町村との連携を図る方策を検討すること。
 また、介護保険制度の要であるケアマネジャーの中立性・公平性をさらに確保するための方策について、具体的な検討を行うこと。

7.被保険者の年齢の範囲や若年障害者を含む受給者の範囲について、総合的視点から早急に検討を行うこと。

 以上決議する。

 平成15年11月13日

全 国 市 長 会