第72回全国市長会議 決議



介護保険制度に関する決議


 都市自治体においては、平成15年4月からの介護サービスの水準及び1号保険料の負担水準を定めることとなる第2期介護保険事業計画の策定のための作業を進めているところである。
 これに併せて、国においては、介護報酬の見直しを図ることとし、関係の審議会において検討が進められている。
 介護保険制度については、関係者の懸命の努力により制度の定着化が図られつつあるが、依然として課題は山積している。特に、今後の高齢化の進展、介護サービス基盤整備の充実、制度の普及などにより保険料の上昇は避けられない状況にある。
 介護給付費の動向は、保険料に直接影響を与えるものであり、介護報酬の改定にあたっては、この点に十分留意しつつ、在宅サービス重視という介護保険制度の基本理念に基づき見直しがなされなければならないが、その前提として介護保険の安定的な運営のための条件が早急に整備される必要がある。
 よって、国は、速やかに下記事項の実現を図るよう強く要請する。



    1.調整交付金は、国の負担25%の外枠とし、すべての保険者において1号保険料による負担が保険給付費の17%分を上回らないようにすること。
     また、財政安定化基金については、国及び都道府県の負担とすること。

    2.国が実施している特別対策による低所得者対策等は、制度として不十分であり、かえって現場に混乱を生ずるものであり、低所得者の定義を含め抜本的な検討を行い、国の制度として財政措置を講じつつ、保険料及び利用者負担に関する総合的統一的な低所得者対策を確立すること。

    3.介護報酬の見直しにあたっては、平成14年5月に本会が取りまとめた「介護報酬に関する意見」を十分に踏まえ、在宅サービスの充実が図られるよう見直しを行うとともに、介護報酬の改定が保険財政に大きな影響を与えることのないよう、適切な措置を講じること。

 以上決議する。
 平成14年6月6日

第72回全国市長会議