地方財政危機突破に関する決議


 地方財政は、平成6年度以降大幅な財源不足が続いており、平成11年度末における借入金残高は、地方一般歳出の2倍を上回る 179兆円にも達し、平成12年度においても、引き続き巨額な財源不足が見込まれている。

 地方公共団体の財政は、これまでの景気対策としての諸事業や特別減税の実施に伴う公債費の累増等に加え、長引く不況による税収の大幅な落ち込みにより、まさに危機的な状況にある。

 地方公共団体には、福祉、安全、教育、環境、生活関連施設整備等の住民生活の向上のための課題が山積しており、さらに平成12年4月からは介護保険を円滑に実施しなければならない。また、地方分権一括法に基づく国と地方の新しい関係に対応した新たな地方自治制度の定着に努めていかなければならない。そのため、地方税財源の拡充を図るとともに、地方財政の危機的状況を早期に脱却してその健全化を図る必要がある。

 なお、地方分権推進法が平成12年7月に失効することとなっているが、今後の地方分権の推進体制の整備について、地方税財源の充実確保を図る観点からも、真剣な検討がなされることを強く要請するものである。

 よって、ここに全国の地方公共団体は総力を結集し、次の事項の実現を期するものである。


一 真の地方分権を実現するため、地方税源について、歳出規模と地方税収との乖離を縮小する方向で、国と地方の役割分担を踏まえ、国から地方への税源移譲等により、その充実強化を図ること。

一 固定資産税、不動産取得税、ゴルフ場利用税及び自動車税は、地方公共団体の貴重な財源であり、その改正如何は地方財政の運営に多大な影響を与えるため、現行制度を堅持し、税収の安定的確保を図ること。
 法人事業税の外形標準課税の導入については、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平性の確保及び税収の安定的確保等の観点から早期に実現を図ること。

一 大幅な財源不足に対処し、地方財政の健全な運営を確保するため、交付税率の引き上げにより、地方交付税総額を安定的に確保すること。

一 介護保険に係る特別対策関係はもとより、地方公共団体が介護保険の円滑な実施のために、財政面で必要があるとして繰返し要請してきた調整交付金の別枠化その他の事項について、国の責任のもとに万全の措置を講ずること。

 以上、決議する。

 平成11年12月2日

                             地方財政危機突破総決起大会
                               地方自治確立対策協議会
                               全  国  知  事  会
                               全国都道府県議会議長会
                               全  国  市  長  会
                               全       
                               全  国  町  村  会
                               全 国 町 村 議 会 議 長 会