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(中心市街地の活性化対策に関する意見)H市 人口40万人

(中心市街地の活性化対策に関する意見) 事例8 H市 人口40万人
 

1 中心市街地の現状
 本市では、駅前から約1kmの範囲で商業集積が形成されており、中心市街地と位置づけることができる。その中核には、昭和30年~40年代にはそのアミューズメント性から全国に盛名をはせた繁華街があり、活性化策が求められている。
 本市の中心商店街も、モータリーゼーションの進展による消費者の買い物動向の変化の中にあって、バブル経済崩壊後の消費低 迷及び消費者ニ-ズの多様化、更に、規制緩和の波を受けた大規 模小売店舗法の改正等により厳しい経営環境に立たされている。
 また、本年度の消費税率のアップも影響し、依然として消費者の購買力に力強さは戻っていない状況が続いている。
 そこで、本市の商業・商店街を取り巻く環境変化の現状をみてみると、第一点目として「業態間の業績格差」があげられる。

 (1) 停滞・衰退しているものとしては
   ① 商店街
     特に小規模店、近隣型商店街が厳しい状況
   ② 従来型のスーパー、百貨店、メーカー系列小売店
     多様化し、高度化する消費ニ-ズにあった新業態への転換、スクラップアンドビルドの進行

 (2) 成長しているものとしては
   ① コンビニエンスストアー
  24時聞営業、好立地、多様サービス、売れ筋商品の品揃えの徹底
   ② ディスカウントストアー
      低価格追求
   ③ 大規模複合ショッピングセンター
      アミューズメント施設、エンターテイメント化

 をあげることができる。

  次に、第二点目としては「都市間競争、地域間競争の激化」を あげることができる。
  モータリーゼーションの進展による買い物動向の広域化を背景 に、広域、超広域を商圏とする大型店や商業集積により、周辺地 域の商業・商店街へ大きな影響を及ぼす状況となっている。

  第三点目として「大型店の郊外出店と中心市街地の空洞化」を あげることができる。
  人口の郊外化、新業態店舗の郊外出店により、自動車アクセスの良くない中心部の商業地が衰退し、空き店舗が増え、空洞化が生じてきている。
 

2 中心市街地(商業地)の問題点(課題)
 (1) 商圏動向
   周辺市町における大型店・ロードサイド店の出店によって、中心商業地の吸引力は低下傾向にある。

  <課題>
   ・ 全体としての商業力の強化
   ・ 特に、中心商業地の求心力再生

 (2) 集客状祝
   商店街では、来街者数の減少以上に客数が減少したとの感触が中心部、周辺部ともに強く、それぞれに課題を抱えている。
 <課題>

     中心商業地は広域都市間競争の中での集客力向上

 (3) 競争環境
   既存商店の大型店・ロードサイド店に対する見方は、中心商店街では集客の核としての機能を期待する傾向が強く、郊外商店街では、自店への影響が大きく、業種にもよるが、拒否反応を示している。

  <課題>
   ・ 市内外の大型店、ロードサイド店との競争環境激化の対応
   ・ 周辺郊外地域商店街における大型店との共生方策と差別化方策


 (4) 消費者評価と店づくり
   消費者の多くは、店に入りにくい、気に入ったものがない、閉店時間が早いなどの点に不満がある。また、駐車場が利用しにくいという不満がある。

  <課題>
   ・ 駐車場の利用のしやすさ、店への入りやすさ、品揃えの充実

   ・ 中心商店街では、店舗の雰囲気や閉店時間の延長
   ・ 専門性強化など事業発展への取り組みの一層の拡大強化


 (5) 環境整備・施設整備
   中心商業地の環境整備について、商圏住民、来街者とも要望が高いのが駐車場整備であり、次いでアメニティスペースの充実が求められている。
   中心商業地の商店・商店街でも駐車場・駐輪場整備の必要性に対する認識が高いが、自主整備・運営の志向は低く、行政支援の期待が高くなっている。また、中心商店街では、中心市街地の衰退が強く意識されており、大規槙な基盤整備や核施設導入による再生を求める声が多く、再開発の参加意欲も比較的高い。
   更に、中心市街地は地価が高く、再生産の場とならない住宅は成立しにくく、人口の空洞化が顕著となっている。
  <課題>
     中心商業地では、自動車アクセス向上とアメニティ充実、基盤整備・再開発による街づくり推進(住宅再開発による市街地の再生定住化の促進)、中心性回復強化の核としてのアミューズメントや飲食レストラン機能の充実強化
 
 (6) 消費者ニ-ズ
 ネットワークショッピングの出現、高齢化社会の進展、余暇社会の進展などにより、商圏住民のニ-ズも変化しつつあり、今後の商店街づくりには、こうした消費者ニ-ズを先取りしていく必要がある。
  <課題>
   ・ 消費者ニ-ズの変化を先取りした商業地づくり
   ・ 特に、中心商業地では、買い物以外の余暇機能として飲食・娯楽機能の充実

 

※掲載の資料はシステムの関係上、発表月の1日付としていますが、必ずしも当該の日に発表されたものではありません。